鍵屋の豆知識

鍵にまつわるお役立ち記事を掲載しています

サムラッチ錠の鍵穴を交換したい!DIYで交換する方法や廃番になっている時の対応について

投稿日 2024.01.06
更新日 2024.08.09
サムラッチ錠の鍵穴を交換したい!DIYで交換する方法や廃番になっている時の対応についてのアイキャッチ画像
【目次】

    サムラッチ錠は比較的築年数が経っている住宅に採用されている事が多い鍵です。何十年もメンテナンスをせずに交換時期を過ぎて使い続け、不具合が出ている場合も多いです。今回の記事ではサムラッチ錠の交換方法や製品が廃番になってしまっている時の対応方法、費用感などをご紹介します。この記事を読んでいただければ、自宅のサムラッチ錠をきちんと使えるようにするにはどうすれば良いのか理解できるようになるでしょう。

    自分で何とかする方法はいいから、鍵屋に依頼をしたいという場合はカギ本舗にご相談ください。カギ本舗ではサムラッチ錠の修理や交換などに対応しております。

    カギ本舗への電話相談はこちらの画像をクリック

    サムラッチ錠とは

    サムラッチ錠は、親指(サム)でサムピースを押しつける事で、ラッチと呼ばれるかんぬきを操作する錠前です。レバー周りに飾りなどが付いたデザイン性の高い錠前で、装飾錠と呼ばれる場合もあります。1980年台から1990年台にかけて多くの住宅に取り付けられており、耐用年数を過ぎて利用されていることが多い現状です。錠前の寿命は10年前後と言われているので、一回も鍵交換をしたことが無い場合は、早めに鍵交換をすることで、鍵が動かなくなって締め出されてしまう等のトラブルを回避することができます。

    サムラッチ錠の鍵交換は自分で出来る?

    サムラッチ錠の交換を自分で行う場合、以下の3つを自力でクリアする必要があります。どれか一つでも失敗すると無駄な出費になってしまったり、最悪既存の錠前本体が故障してしまい、余計な被害を生むことになります。もし自分で鍵交換を行う自身がなければ鍵屋に依頼して交換してもらいましょう。

    ①製品の特定

    鍵交換をするには、現在付いている錠前に適合した部材を購入する必要があります。製品には厳格に取り付け寸法が決まっているため、適当に購入した製品では取付けすることができず、無駄な買い物になってしまうでしょう。

    サムラッチ錠は飾りのついた錠前なので見た目である程度種類が判別しやすい部類の錠前ですが、購入してみたらドアの厚みやバックセットが違う製品だったということが多々あります。製品を購入する時は見た目である程度候補を探し、購入前にきちんと寸法が合っているかを確認してから購入しましょう。

    ②交換方法の調査

    サムラッチ錠の鍵交換をする場合は、作業を始める前に具体的な交換手順について下調べをする必要があります。サムラッチ錠は製品ごとに交換手順も異なるため、製品ごとの交換手順を確認してから鍵交換に着手しましょう。新米鍵屋などがよく起こすトラブルなのですが、サムラッチ錠は間違った手順で交換作業をすると中のバネが飛び出してしまい、修理不可能になってしまう場合があります。

    ③実際の交換作業

    サムラッチ錠の交換作業自体は自分でもできる場合が多いです。ただし、サムラッチ錠はバネなどが多く内臓されており、交換手順を守らなかったり、錠前を雑に扱うと中のバネが飛び出してしまい、修理不可になってしまう場合があります。そのため、きちんと下調べをして、丁寧に交換作業をすることが重要です。

    サムラッチ錠の部品はどこで入手する?ホームセンターで取り扱いはある?

    サムラッチ錠の部品を入手する場合は、インターネット通販か物販をしている鍵屋に依頼して製品を購入することになります。ホームセンターでも錠前は発売していますが、サムラッチ錠の部品はメジャーな部品ではないため、ホームセンターでの取り扱いは無いでしょう。

    サムラッチ錠の交換用の部品を見分けるには、錠ケースの刻印から大まかな製品群を調べることになります。錠ケースにメーカー名しか刻印が無い場合は、インターネットで「メーカー名 サムラッチ錠」などで画像検索し、同じ見た目の製品を探します。その後、製品の候補の中から、バックセット、スペーシング、装飾部分のデザインや寸法が一致する製品を調べることで正確な錠前の製品名を調べます。

    製品名が同じでも、ドアの厚み等によっても部品が変わるため、自宅のドアの厚み等、各種寸法を調べて適合する部品を調べて購入します。

    サムラッチ錠の鍵交換方法

    サムラッチ錠の具体的な方法をご紹介します。ここで紹介するのはあくまで交換方法の一例で、製品によって交換方法は異なります。製品によってはネジを外した瞬間に中のバネが飛び出してしまうもの、交換しようとしている製品の交換方法のマニュアルなどが入手できていない場合は、自分で交換しようとせずに専門の業者に依頼しましょう。

    サムラッチ錠を交換する方法の一例をご紹介します。

    必要な道具

    プラスドライバー

    交換用のシリンダー

    交換作業

    ①室内側から固定ネジを外す

    ①室内側から固定ネジを外すときの説明画像

    室内側からネジが3本~4本のネジで固定されていることが多いです。これらのネジを取り外すとサムラッチ錠をドアから取り外せるようになります。サムラッチ錠が落下しないよう手で支えながらネジを取り外しましょう。

    ②サムラッチ錠の蓋を開けてシリンダーを取り出す

    ②サムラッチ錠の蓋を開けてシリンダーを取り出すときの説明画像

    サムラッチ錠の蓋はネジで固定されているため、ネジを外して蓋を開けます。この時、必ずサムラッチ錠は水平に保ったままネジを外しましょう。サムラッチ錠を斜めにしたままネジを外すと中の部品がこぼれて元に戻せなくなります。また、製品によってはネジを外した瞬間にバネが飛び出て元に戻せなくなる場合があります。上記の画像では、親指を離すと中のバネが弾けてしまいます。製品によってバネが飛び出す位置は異なるため、交換手順が分からない場合は自分で鍵交換をするのはやめておきましょう。

    ③交換用のシリンダーを取り付けてサムラッチ錠の蓋を閉める

    ③交換用のシリンダーを取り付けてサムラッチ錠の蓋を閉めるときの説明画像

    サムラッチ錠の蓋を開けたらシリンダーを取り外せます。シリンダーがネジで固定されている場合もあるので、その場合はネジを外して取り外しましょう。

    ④ドアにサムラッチ錠を取り付ける

    ④ドアにサムラッチ錠を取り付けるときの説明画像

    サムラッチ錠の蓋を閉めて取り外した時と逆の手順で、ドアにサムラッチ錠を取り付けます。取り付けた後は、ドアを開けた状態と閉めた状態で鍵の開け閉めをして動作確認をしましょう。

    サムラッチ錠の交換をする際の3つの注意点

    注意点1 不具合で交換をする際は不具合原因を特定してから

    サムラッチ錠が経年劣化で不具合を起こしている場合は、どの部位が原因で不具合が起きているのかきちんと調べてから鍵交換をしましょう。鍵の不具合として多いのが鍵が回らないことですが、原因として考えられるのはシリンダーの問題、錠ケースの問題、ストライクとデッドボルトの問題、ドア自体の問題などがあります。シリンダーの問題だった場合は鍵交換をすれば解決しますが、その他の部位が原因だった場合は鍵交換をしても解決しません。

    鍵が回らない原因箇所について

     

    不具合の原因特定方法をご紹介するので、参考にしてください。

    不具合の原因特定方法①

    ドアを開けた状態で鍵の開け閉めができるか確認する。ドアを開けた状態で鍵の開け閉めに問題がない場合は、ストライクとラッチボルトの問題か、ドア自体の問題に原因を絞ることができます。ドアを正面から見て、ドア本体が斜めになっていないか確認してみましょう。ドア自体が問題の場合は丁番が垂れ下がりドアが斜めになっています。ドアに問題がない場合は錠ケースから出てくるデッドボルトが、ドアフレーム側のストライクに入っていない可能性があります。ドアを閉めた状態でデッドボルトとストライクがぶつかっていないか確認し、ぶつかっている場合はストライクの位置を調整することで不具合を改善することができます。

    ドアを開けた状態で鍵の開け閉めに問題がある場合は、シリンダーか錠ケースの問題になります。

    不具合の原因特定方法②

    錠ケースとシリンダーを分離させて、それぞれの動作に問題ないか確認する。サムラッチ錠をドアから取り外すと、錠ケースとサムラッチ錠のシリンダーを分離することができます。シリンダー単体に鍵を挿して回るか、錠ケースにマイナスドライバーを入れて回るかを確認することで、どちらの部品で不具合が出ているのか切り分けることができます。正常に回らなかった方の部品を交換するようにしましょう。

    注意点2 サムラッチ錠の製品選びは慎重に

    サムラッチ錠は見た目が同じでも、寸法が異なる製品があります。間違った製品を購入してしまうと無駄な買い物となってしまい、防犯関連の製品のため返品が効かないことが多いです。購入する際はバックセット、ドアの厚み、スペーシングなどだけでなく、飾りの寸法など、細かい寸法も合っているのか確認してから購入するようにしましょう。

    注意点3 安易なドア交換は費用がかさばる

    サムラッチ錠が付いているような住宅ですと、築30年を越しているような物件が多数あります。そのため、ドアごと交換を検討されているお客様も多くいらっしゃいますが、ドアごと交換は種類にもよりますが、30万円~100万円近く費用がかかる事が多いです。ドア自体の損傷が軽微ならばサムラッチ錠だけの交換でも十分なケースも多いため、一度業者に相談してから対応方法を決めると良いでしょう。

    サムラッチ錠の鍵交換を業者に依頼した場合の費用

    サムラッチ錠の交換が自分で出来ないと判断した場合は業者に依頼をして交換してもらう事になります。どのぐらい費用がかかるのか不安な方も多いと思いますので、費用の目安をご紹介します。

    作業内容 費用感
    ギザ鍵のシリンダー交換 2万円-3万円
    ディンプルキーのシリンダー交換 3万円-4万円
    錠前一式交換 4万円-7万円
    サムラッチ錠の修理 1.5万円-2.5万円

    鍵穴だけが壊れている場合や、鍵を紛失してしまった場合はシリンダー交換で問題ありませんが、錠ケースや錠前本体が故障している場合は、錠前一式交換になる場合があります。

    サムラッチ錠が廃番になっていたらどうやって鍵交換する?

    サムラッチ錠の中には40年以上前に製造されていた物もあり、現在新規に建てられる一戸建て住宅ではあまり取り付けられない事から、メーカー側で廃番になっている製品が多数存在します。そのため、廃番になってしまったサムラッチ錠の鍵交換をしたい場合は以下の3つの選択肢が考えられます。

    ①同じ寸法のサムラッチ錠を探して取り付ける

    まず第一に挙げられるのが、全く同じ寸法のサムラッチ錠を探して取り付けることです。外観の寸法だけでなく、錠ケースなどの錠前全体の寸法が一致している製品を選ぶ必要があります。寸法が完全に一致していれば、ドアへの加工が不要になるため交換費用が比較的安く済みます。

    ②補助錠を取り付ける

    補助錠の写真

    サムラッチ錠とは別の場所に新しく錠前を付ける方法です。既存のサムラッチ錠とは干渉しない場所に新しく錠前を付けるため、色んな錠前を付けられる選択肢が生まれます。ドアへの加工内容も最低限のもので済むため、費用は比較的安く済みます。ただし、ドアに鍵穴の数が複数個付くため、見栄えが若干悪くなることがあります。

    ③全く別の錠前を取り付ける

    サムラッチ錠からインテグラル錠に変更した画像

    サムラッチ錠は、錠ケースの構造が握り玉のインテグラル錠と同じになっている事が多いため、インテグラル錠に交換できることが多いです。錠前の種類は変わってしまいますが、鍵の開け閉めやハンドル操作でドアを開け閉めできます。サムラッチ錠の飾りが付いていた場所の色が周囲と違うため、見た目を気にする場合は金属板などで見た目を整えてあげる必要があります。

    ④ドアごと交換する

    最終手段として、ドアごと交換してしまう方法もあります。ただし、ドアごと交換すると費用が30万円~100万円ほどかかるため、目的が鍵交換のみなら前述した他の方法を取った方がいいでしょう。建付けが悪くなっていたり、塗装が剥げてしまっているなど、鍵以外にも問題が起きている場合はドアごと交換も視野に入れて良いと思います。

    まとめ

    サムラッチ錠の鍵交換についてまとめてみましたが、いかがだったでしょうか。サムラッチ錠の鍵交換は少しの作業ミスで取り返しのつかない失敗になってしまう事もあるため、業者に依頼してしまうのがオススメです。もし鍵交換をしてくれる業者を探している場合はカギ本舗にご相談ください。カギ本舗では多くのサムラッチ錠に対応しており、廃番になっている製品でも代替品の手配が可能です。

    カギ本舗への電話相談はこちらの画像をクリック

    玄関の画像
    玄関の鍵交換
    玄関の鍵交換についてご紹介しています。

    玄関の鍵穴の画像
    玄関の鍵交換方法
    自分で玄関の鍵を交換する方法についてご紹介しています。

    引き戸の画像
    引き戸の鍵交換方法
    引き戸の鍵交換方法についてご紹介しています。

    引き戸の補助錠を付ける場所の画像
    引き戸の補助錠追加
    引き戸の補助錠を追加する方法を紹介しています。

    勝手口の画像
    勝手口の鍵交換
    勝手口の鍵交換についてご紹介しています。

    トイレの画像
    トイレの鍵交換
    トイレの鍵交換についてご紹介しています。

    浴室の画像
    浴室の鍵交換
    浴室の鍵交換についてご紹介しています。

    ドアノブの写真
    ドアノブの交換
    ドアノブの交換についてご紹介しています。

     

    Sending
    User Review
    0 (0 votes)
    The following two tabs change content below.

    藤原 正徳

    カギ本舗で作業員、兼作業員の教育を担当をしている藤原です。 皆さんの鍵のトラブルをいち早く、安心して解決できるよう取り組んでいます。日本ロックセキュリティ協同組合が検定をしている錠施工技師の3級認定技術資格者。

    よくあるご質問

    Qサムラッチ錠のレバーハンドルだけ交換することはできますか?
    はい、可能です。まずは錠前の種類を特定して、その錠前に対応するレバーハンドルを購入することになります。
    Qサムラッチ錠の鍵交換をしたいのですが、部材が見つかりません。何かいい方法はありますか?
    メーカー名と錠ケースの刻印から地道に探していくしかありません。また、一部の製品はレバー部分と一体型になっており、シリンダーのみ交換することができない製品もあります。どうしても自分で製品を探せない場合は鍵屋に交換を依頼しましょう。
    Qサムラッチ錠の調子が悪いですが、できるだけ費用はかけたくありません。修理などはできますか?
    はい、修理で対応できる場合も多々あります。錠前の中に混入した埃などの場合は、錠前を全て分解し、埃を取り除いた後に潤滑剤を塗布すれば直ることも多いです。症状によって修理が効くか変わりますので、一度お電話でご相談ください。
    Qサムラッチ錠の鍵をなるべく早く交換したいのですが、どのぐらいの期間で交換できますか?
    在庫がある物なら当日中に交換可能です。在庫がない物の場合は1週間前後でメーカーから入手できるものが多いです。あまり販売されないような珍しいタイプのサムラッチ錠の場合は1か月前後お時間をいただく場合があります。

    記事が参考になりましたら、シェアしていただけると嬉しいです!