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【車のバッテリー上がり】5分でわかる対応方法と直し方

投稿日 2021.03.13
更新日 2024.03.22
【目次】

    カギ本舗では、鍵のことだけでなく車のバッテリーに関わる作業も承っております。

    「なんで鍵屋さんがバッテリーを?」

    と思われるかもしれませんが、実はほとんどの鍵屋はバッテリーに関わる作業ができるようになっているのです。理由としては、車の鍵を作って動作確認をする際に、エンジンがかからないと動作確認が完了しないため、バッテリーが上がっている車も救助できるように機材を積み込んでいるからです。全国に鍵屋さんは居ますので、他のロードサービスよりも対応時間が早いといったことも起きています。

    ロードサービスよりも鍵屋さんの方が良いという方もいらっしゃいますが、この記事を読んでいただいてから判断すれば、より自分にあった対応を選択できるようになります。

    車のスマートキーが反応しない場合は、バッテリーの問題以外にも、スマートキー自体に問題が起きている可能性があります。車のスマートキーの作成については以下でご紹介していますのでご確認ください。

    トヨタのスマートキー紛失
    ダイハツのスマートキー紛失
    スズキのスマートキー紛失
    ホンダのスマートキー紛失
    日産のスマートキー紛失
    マツダのスマートキー紛失

    バッテリー上がりとは

    バッテリー上がりとは、車のエンジンを始動するための電力が足りないぐらいバッテリーの電力残量が減っていることを指します。通常は、エンジンが動いていれば車自体が発電をして電力をバッテリーに貯めてくれて、エンジンを始動するための電力を確保してくれます。しかし、以下のような場合はこの発電のサイクルが崩れて、バッテリー上がりが発生してしまいます。

    バッテリー上がりの原因

    ・充電量より放電量が多い

    エンジンを動かさずにエアコンなどの車載電子機器を使ったり、長期間エンジンをかけずに一定以上放電してしまった場合などにバッテリー上がりを起こします。また、車の発電装置(ダイナモ、オルタネーター等)が故障した場合も、電力が補給できずにバッテリー上がりを起こしてしまいます。

     

    ・バッテリーの経年劣化・故障

    バッテリーが経年劣化を起こすと、貯めておける電力の上限がどんどん少なくなっていき、最終的にはエンジンを動かす分まで電力を貯めておくことができなくなります。

     

    よくあるバッテリー上がりを起こす車の使用状況

    ・長期間車に乗らなかったり、普段あまり車を使用しない。

    ・ライト点灯などの電気負荷を使用したまま気づかずに放置した。(単純放電)

    ・前日に夜間走行し、渋滞路走行が多かった。

    ・エンジンを停止した状態で電気負荷を多く使用。

    ・シビアコンディションで使用した。(参考:http://www.baj.or.jp/car_battery/car05.html#sivier)

    ・バッテリーを何年も交換していない

     

    バッテリー上がりではない時の特徴

    ・セルモーターの故障

    鍵を回しても無音だったり、カチッという音が鳴るだけになります。ただし、バッテリー上がりでバッテリー残量が0の場合や、エンジンがプッシュスタート形式でバッテリー上がりしている場合も同様の症状が出ます。

     

    ・ガス欠

    ガス欠の場合、電気系統は正常のままです。まずはガソリン残量をチェックして、ガソリンがない場合は給油をしてからエンジンをスタートしましょう。

     

    ・ステアリングロック

    ステアリングロックがかかっている場合は、鍵を回すことができません。この場合、ハンドルを左右に揺らしながら鍵を回すとステアリングロックが解除できるので、エンジンを始動することができます。

     

    ・シフトポジションの不具合

    シフトポジションの不具合で、シフトレバーがP以外になっていると判断されてエンジンがかけられない場合があります。また、初心者でよくありがちなのが、シフトレバーをD(ドライブ)にしたままエンジンを停止している場合です。

     

    バッテリー上がりか確認する方法

    最も簡単な方法は、エンジンをかけてみることです。バッテリーが上がった直後なら、鍵でエンジンをかけるタイプの場合は、セルのキュルキュルといった音が鳴り、プッシュスタート式の場合はカチカチと音が鳴ってエンジンがかかりません。バッテリーが上がってから、時間が経過すると完全にバッテリー残量がなくなり、こういった音すらしなくなります。

    もし運転中などにエンジンが停止して、そこからエンジンが始動しない場合は、ダイナモやオルタネーターなど、バッテリー以外の問題が考えられます。

     

    バッテリー上がりの際の対処方法

    ①ロードサービスを呼ぶ(カギ本舗も対応しています)

    ②他の車から電気を分けてもらう(ジャンピングスタート)

    ③ジャンプスターター、カーバッテリー用の充電器でエンジンを始動できるまで電気を補充する

    ④バッテリーの交換

     

    バッテリー上がりをしたのが電気自動車やハイブリットカーの場合は注意

    バッテリーが上がった車が電気自動車やハイブリッドカーの場合は注意が必要です。これらの車にはモーター駆動用バッテリーと補機バッテリーの2つのバッテリーが積んであります。上がってしまったのが補機バッテリーの場合はガソリン車と同様の対処が可能ですが、モーター駆動用バッテリーの場合は電圧が高いため、素人が自力で対処するのは危険です。補機バッテリーの電圧が12Vから24Vなのに対し、駆動用バッテリーの電圧は200V以上の高電圧となるため、モーター駆動用のバッテリーが上がってしまったのなら、個人での対応は難しいですし危険も伴うため、専門の業者に依頼した方が良いでしょう。

     

    自分でジャンピングスタートをやる方法と手順

    事前に確認すること

    ①バッテリーの電圧

    国産車の乗用車のほとんどは電圧が12Vですが、トラックのようなディーゼル車は24Vになります。また、外車などでは12Vと24Vが混在しています。この電圧によって用意する物が変わります。

     

    ②作業スペースがあるか

    ジャンピングスタートを救援車で行う場合、車の全面に救援車を配置するため、十分なスペースが必要です。スペースがない場合は救援車でのジャンピングスタートは諦めて、ジャンピングスターターによる救援をお試みましょう。

     

    準備するもの

    ①救援車(他の車)

    救援車にはバッテリーが上がった車と同じ電圧の車を選びましょう。ただし、電圧が合っていても電気自動車やハイブリッドカーを救援車にするのはやめましょう。エンジンをかけた際に大容量の電流が救援車側に流れてしまい、救援車側で故障が発生し、最悪火災などが発生します。

     

    ②ブースターケーブル

    +端子につなぐケーブルと-端子につなぐケーブルを分かりやすくするために、赤色と黒色のブースターケーブルをそれぞれ1本、合計2本用意しましょう。ブースターケーブルが細すぎると発熱の原因になり、最悪火災が発生するため、太いケーブルを選ぶと良いでしょう。バッテリー端子を挟む接続部は、しっかりと挟み込むためにワニ口クリップのものを選ぶと良いです。

     

    車の配置

    車は以下の図のように、救援車とバッテリーが上がった車を向かい合わせに配置すると良いです。バッテリー同士を近づければ作業ミスは減りますし、ケーブルに足を引っかけてしまう事故もなくせます。

    車の配置

     

    手順

    ①救援車のエンジンを止める

     

    ②バッテリーが上がった車のバッテリーの+端子に赤色のブースターケーブルをつなぐ

     

    ③救援車のバッテリーの+端子に赤色のブースターケーブルをつなぐ

    (プラスチックカバーが付いている事が多いので、カバーを外して端子の金属部分につなぎましょう)

     

    ④救援車のバッテリーの-端子に黒色のブースターケーブルをつなぐ

     

    ⑤バッテリーが上がった車のバッテリーの-端子に黒色のブースターケーブルをつなぐ

    ジャンピングスタートの手順②~⑤

     

    ⑥救援車のエンジンを始動し、アクセルを少しずつ踏みこんで徐々に回転数を上げる

     

    ⑦バッテリーが上がった車のシフトレバーがパーキングになっていることを確認し、エンジンを始動する

    ※バッテリーが上がった車のエンジンが始動しない場合、充電が足りていないので、5分から10分ほど手順⑦の状態を保ちましょう。

    この時、ブースターケーブルが熱くなってきた場合は発熱でブースターケーブルが炎上する可能性があるため、作業を中止しましょう。

     

    ⑧バッテリーが上がった車のエンジンが動いたら、つないだ時と逆の手順でブースターケーブルを外す

     

    ※カーバッテリー用の充電器を使う場合は、メーカー毎に使用法が違いますので、必ずマニュアルに沿って使うようにしましょう。

     

    ジャンピングスタートの注意点

    ・バッテリー液が十分か確認してから行う

    バッテリー液がUPPER LEVELとLOWER LEVELの間まで入っているか、きちんと確認してからジャンピングスタートをしましょう。

    バッテリー液が不足していると

     

    ・12Vの車と24Vの車を繋げない

    12Vのバッテリーと24Vのバッテリーをつなぐと、想定外の電流が流れて激しいスパークが発生する恐れがあります。最悪の場合火災になるため、絶対につながないようにしましょう。

     

    ・バッテリーを繋ぐ時、外す時も順番を守る事

    ケーブルをつなぐ時は+端子同士をつないでから、-端子同士をつなげましょう。逆にケーブルを外すときは-端子を外してから+端子を外すようにしましょう。

     

    ・錆や腐食に注意

    バッテリーの端子に錆びや腐食がある場合、端子の接着面に隙間ができてしまい、通電に影響が出て電力不足になっている可能性があります。錆や腐食がある場合はワイヤーブラシ等で磨いてから、グリスを塗布するなどして対策をしましょう。また、白い粉などが付いている場合は、バッテリー液がこぼれているので、バッテリー液がUPPER LEVEL以上になっていないか等確認しましょう。

     

    ・乾燥時期の静電気

    冬場など静電気がたまりやすい季節の際は、ボディの金属部に触れるなどして、静電気を逃してから作業をしましょう。

     

    ・ブースターケーブルや衣服が冷却ファンやベルトに巻き込まれないよう注意

    エンジンを動かした際に、冷却ファンやベルトが回り始めますので、物が巻き込まれないよう注意しましょう。

     

    ・エンジンをかけたままバッテリーをつなげない

    救援車のエンジンをかけたままバッテリー同士をつなぐと、大容量の電気が流れて、カーナビなどの車内の電装品が故障する可能性があります。バッテリーをつなぐ時はエンジンを切った状態でつなぎ、きちんとつなぎ終わってから救援車のエンジンをかけるようにしましょう。

     

    ・ジャンピングスタート後はすぐにエンジンを止めない

    ジャンピングスタート後にすぐ車のエンジンを止めてしまうと、十分な発電がされていないためまたバッテリー上がりの状態になってしまいます。ジャンピングスタートが終わったら50km/hほどの速度で30分から1時間程度運転をすれば、エンジンを止めても大丈夫でしょう。30分以上運転をした後にエンジンを切って、バッテリー上がりが再発する場合は、バッテリーの寿命が考えられるので、エンジンを切る場所はバッテリー交換がしやすい場所を選ぶとなお良いでしょう。

     

    バッテリーはしばらくすると治る?

    バッテリー上がりは電気不足で起こります。そのため、そのまま放置をしても電気が勝手に充電されることはないので、自然に回復することはありません。逆に放置してしまうことで、どんどん電力は自然消費され、電気の残量が0になると電装部品などが一切動かなくなりますし、バッテリーの寿命も短くなります。バッテリー上がりが発覚したら、なるべく早く対処しましょう。

     

    ロードサービス・JAF・カギ本舗に頼む場合

    ロードサービスやJAFでは、ジャンピングスタートなどの作業を有料で対応してくれます。JAF会員に加入している場合は、作業費無料で対応してくれるため、JAFに依頼すると良いでしょう。バッテリーの交換などの作業も対応してくれるため、非常に便利なサービスです。JAF会員でない場合は、他のロードサービスと同じように料金が発生するため、他のロードサービスや鍵屋への依頼を検討してみましょう。

     

    カギ本舗ではジャンピングスタートなどの作業を対応しております。バッテリー交換は対応しておりませんが、交換用のバッテリーなどをお持ちの場合は対応できる場合もあります。また、加入している保険の条件によっては、保険で対応できる場合などもありますのでご相談ください。料金は8000円(税抜)からのご案内となり、バッテリーの容量や、ハイブリッドカーなどか等により料金が変わります。

    作業内容 料金(税込)
    バッテリーのジャンピングスタート 8,800円~
    車の鍵開け 8,800円~

    カギ本舗にご依頼いただければ、バッテリーの問題だけでなく、バッテリーが上がってドアを開けられない場合や、鍵の問題でエンジンがかからない場合も対応することができますので、是非ご利用ください。

     

    バッテリー上がりを防ぐには

    バッテリー上がりを防ぐには、以下のような事を意識すると良いでしょう。

    ・定期的にバッテリーを交換する

    ・発電している状態で電装品を使う癖を付ける

    ・エンジンが止まった状態で電装品を使う頻度をできるだけ少なくする

    ・定期的に長距離を走行し、きちんと充電をする

    ・オイル交換などの定期メンテナンス時にバッテリーの電圧を測ってもらう

     

    それでも生活リズムなどにより、バッテリー上がりになってしまう事は起きてしまいますので、モバイルのジャンピングスターターを用意しておくなど、あらかじめ準備をしておけば自分で対処ができるようになるでしょう。

     

    まとめ

    バッテリー上がりについてまとめてみましたが、いかがだったでしょうか?きちんとした手順を踏めば復旧できるのですが、やった事が無い人からすると手順間違いをした時に火災が起きたり、スパークが起きてやけどをしてしまう等のリスクがあるため、不安に思う方は多いようです。少しでも不安を感じたら、業者に依頼をしてしまった方が結果的には安くすむことも多いので、是非ご検討ください。

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    藤原

    カギ本舗で作業員、兼作業員の教育を担当をしている藤原です。 皆さんの鍵のトラブルをいち早く、安心して解決できるよう取り組んでいます。日本ロックセキュリティ協同組合が検定をしている錠施工技師の3級認定技術資格者。

    よくあるご質問

    Qボンネットを開けてもバッテリーが見当たりません。どこにありますか?
    車種によっては、助手席の下や後部座席の下にバッテリーが置いてある場合があります。詳しくは車のマニュアルにバッテリーの位置が記載されているので、確認するようにしましょう。
    Qバッテリーの+端子と-端子を間違えてつないでしまいました。車が動かないのですが、どうすれば良いでしょうか。
    車屋などに持っていきましょう。ヒューズが飛んでいるだけであれば、ヒューズを取り換えれば復旧する可能性があります。
    Q車で走っている最中にバッテリーの警告灯が点いてしまいました。バッテリー上がりでしょうか?
    運転中であれば、発電がされているはずなので、バッテリー上がりではない可能性が非常に高いです。よくあるのがオルタネーターなどの発電をする部品が故障している可能性があります。このような場合では車屋できちんと修理しないと復旧しません。 大量の車内電装品を使って、電気の使用量高くなって発電が追い付いていない場合にはバッテリー上がりの可能性があります。
    Qバッテリーの警告灯が点灯していますが、エンジンはかかります。このまま乗っていても大丈夫でしょうか?
    バッテリーの劣化や、その他の重大な故障につながる可能性もあるため、早急に車屋などに診断してもらうようにしましょう。

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