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イモビライザーとは。仕組みや判別方法について初心者にも解りやすく解説【動画付き】
投稿日 2020.10.13
更新日 2020.10.13
【目次】

    「お車にイモビライザーは搭載されていますか?」

     

    スペアキーの作製や鍵の新規作製をするときに、業者からよく聞かれる質問です。普段生活している中で「イモビライザー」なんて言葉はまったく聞かないですよね。ほとんどの人は「イモビライザー」というモノは知らないので、判りませんと回答するのですが、実はこの「イモビライザー」が搭載されているか否かで、鍵を作るときの費用が数倍変わってくるのです。

    今回の記事ではイモビライザーの仕組みと、搭載されているかどうやって判別するのかを、初心者にも解りやすく解説していこうと思います。

    イモビライザーとは?

    イモビライザー(Immobilizer)とは、簡単に言ってしまうと、車についている盗難防止装置の一つです。イモビライザーが搭載されている車では、車のコンピュータにあらかじめ登録された鍵以外ではエンジンを始動することができません。

     

    例えば、合鍵屋さんで鍵の形状が全く同じスペアキーを作製したとします。この時イモビライザー搭載車の場合は、ドアやイグニッションの鍵を回すことができても、エンジンを始動することはできません。実際にイモビライザー搭載車でエンジンをかけようとすると、どうなるのか動画でも解説しているので参考にしてください。

    よくある間違いとして、盗難防止アラーム(セキュリティアラーム)のことだと勘違いされている人がいますが、全く異なるシステムです。盗難防止アラームは不正な解錠をすると、大音量でアラームが鳴る仕組みのことで、エンジンの始動は制限していません。

     

    イモビライザーの仕組み

    イモビライザー搭載車では鍵の中に、トランスポンダというIDチップが埋め込まれています。

    トランスポンダ

     

    また。車のコンピュータの中にも、このトランスポンダの情報が登録されています。

    あらかじめ登録されたトランスポンダでのみコンピュータへの認証が通るようになっています。

    イモビライザーの仕組み

    イモビライザー搭載車では、この認証が通らないとエンジンが始動することができません。

    イモビライザーが搭載されているか判別する方法

    ディーラーに聞く

    最も確実なのがディーラーにイモビライザーが搭載されているか確認することになります。ただし、中古車で購入した場合や、一度もディーラーに入庫したことがない場合などは、ディーラー側もイモビライザーが付いているか回答できない場合がありますので、ご注意ください。

     

    イモビライザーランプ(セキュリティインジケータ)の有無

    イモビライザーが搭載されている車には、セキュリティインジケータと言われるランプが搭載されています。セキュリティインジケータは、イグニッションから鍵が抜かれると点滅し、イモビライザーが動作していることを通知してくれます。セキュリティインジケータは、メーター周りに付いていることが多く、以下のような鍵のマークや「SECURITY」といった文字が入ったランプになります。

    イモビライザーランプ

     

    エンジンスタート方式

    エンジンのスタート方式が鍵を挿さないで始動させるタイプの場合、イモビライザーが搭載されています。具体的には、ボタンを押してエンジンを始動するプッシュスタート方式と、ノブを回してエンジンをスタートするツイストノブ方式の場合、イモビライザーが搭載されています。

    プッシュスタート方式 ツイストノブ方式
    プッシュスタート方式 ツイストノブ方式

     

    一方、鍵を回してエンジンを始動させる方式の場合、イモビライザーが付いているかは不確実になるため、他の方法でイモビライザーの有無を判別することになります。

    ステッカー

    イモビライザーが搭載されている場合、イモビライザーのステッカーが貼ってある場合があります。見た目としては、以下のような鍵がかかっているようなマークのステッカーになります。

    イモビライザーのステッカー

     

    車種・年式・グレード

    車の車種・年式・グレードが分かればイモビライザーが搭載されているかわかる場合があります。ただし、イモビライザーがオプション装備となっている車種に関しては、この方法での特定は難しいです。

     

    鍵の種類

    鍵の種類によってイモビライザーの有無が分かる場合があります。鍵には以下のような4種類の鍵があるのですが、この中で、鉄鍵の場合はイモビライザーが入っていません。

    また、スマートキーの場合は9割がたイモビライザーが搭載されています。

    鉄鍵 柄がプラスチックのキー
    鉄鍵 柄がプラスチックの鍵
    リモコンキー スマートキー
    リモコンキー スマートキー

     

     

    イモビライザーの解除方法

    イモビライザーですが、車の電波の範囲内にトランスポンダを置けば認証が通り、解除することができます。電波の範囲は車種によって異なりますが、運転席のみ、もしくはイグニッション周りに限定されていることが多いです。

    イモビライザー無効化

    また、お客様から稀に「イモビライザー機能なんて要らない!無効にして!」と言われることがあります。しかし、イモビライザーは車のコンピュータに付属されている機能なので、機能自体を無効にすることはできません。

     

    イモビカッターという製品が販売されていますが、これはイモビライザーを無効にするのではなく、イモビライザーを一旦初期化して、全く別のトランスポンダを登録してしまう製品です。イモビカッターでイモビライザーの初期化ができる車種は限られており、必ずしも通用する訳ではありません。また、このイモビカッターを製造、販売、所持することは地方公共団体の条例で禁じられている場合があります。

    (参考:https://www.pref.aichi.jp/police/syokai/houritsu/sekou-kaisei/seian-s/machizukuri.html)

     

    どうしてもイモビライザーの機能を無効にしたい場合

    鍵からトランスポンダを取り出して、イグニッションの近くにトランスポンダやスマートキーを貼り付ける、もしくは埋め込んでしまえばイモビライザーの認証が常に通る状態になり、実質無効にすることができます。

     

    ただし、何かの弾みでトランスポンダがどこかに飛んでいってしまったり、トランスポンダが破損してしまった場合は、イモビライザーの認証が通らなくなってしまい、車が動かせなくなります。

     

    また、私たちプロの鍵屋は、車種にもよりますが数分でドアを開けることができます。私たちはお客様の車を傷つけないように慎重に作業をしているのですが、車に多少の傷がつくことを覚悟すれば、どんな車種でもほとんどが数分で開けることができます。したがって、プロの車両窃盗犯なども同様に、ドアを開けるだけなら数分で開けることができると考えられます。イモビライザーを実質無効化することはできますが、トラブルのリスクが高まるため、おすすめはできません。

     

    イモビライザーの鍵をなくした場合は誰に依頼すれば良いか

    イモビライザーの鍵をなくしてしまうと、エンジンをかけることもできず、立ち往生してしまいます。自宅に車があるときに鍵をなくしたならまだ何とかなりますが、出先で鍵をなくしてしまうと目も当てられません。こんな時、イモビライザーの鍵を作製してくれるのは、ディーラーと鍵屋です。ディーラーは車を販売している会社なので、純正の鍵を用意してくれて非常に安心感があります。ただし、ディーラーでイモビライザー鍵の作製をするためにはディーラーに車をレッカー移動しなければいけなかったり、対応までに数日から数週間待たなければいけないことがほとんどです。

    一方で鍵屋に依頼した場合は、現地に鍵屋がやってきてその場で鍵を作製してくれます。ディーラーではレッカー代がかかるのに対して、鍵屋の場合はレッカーが不要になる点もメリットです。料金体系はディーラーと鍵屋で異なるため、急ぎでなければ両方に見積もりを依頼すると良いでしょう。逆に、急ぎで鍵を作りたい場合は鍵屋に依頼した方が圧倒的に早く鍵を作製してくれるため、必然的に鍵屋を選択することになります。

    注意点として、イモビライザーの鍵は一般的な鍵と異なり、トランスポンダ、車のコンピュータ、イモビライザー登録機などの複数の専門知識が必要な技術になるため、対応できる業者が圧倒的に少ないです。イモビライザーの鍵作製を依頼する場合は、必ず「イモビライザーが搭載されているのですが、対応できますか?」と確認しましょう。カギ本舗では国産車のほとんどのイモビライザー対応ができますので、お困りの際はぜひご相談ください。

     

    イモビライザーの後付け

    現在ではメーカー純正のイモビライザー以外にも、後付けでイモビライザーの取り付けができるようになっています。メリットとしては、純正イモビライザーと比較して後付けイモビライザーは解析が進んでいないため、後付けのイモビライザーをシステム的に突破して盗難することが難しいことです。

    デメリットとしては、リレーアタックやコードグラバーでは、電波そのものをそのままコピーされてしまうため効果は少ないことです。また、ECU、イグニッション、燃料コントロールの配線に割り込ませて後付けするため、配線周りに詳しい人間ですと、装置自体を取り外されて無効化されてしまうことがあります。

     

    イモビライザーの弱点

    イモビライザーはあくまでもエンジンの始動を制限する装置です。そのため、ガラス窓を割られたり、鍵をピッキングで開けての車上荒らしには効果がありません。また、レッカー車での車両盗難には効果がありません。

     

    また、最近ではスマートキーを対象にした「リレーアタック」や、「コードグラバー」という機器を用いた手法の盗難被害が増えています。「リレーアタック」はスマートキーなどから出されるトランスポンダの情報を別の場所まで中継して車を開けてしまう手口です。

    実際にリレーアタックによる盗難がニュースになっている動画が以下になります。

    このリレーアタックという手法は車を使わないときは、電波を遮断するケースにスマートキーを入れておき、車を使うときだけスマートキーをケースから取り出して操作すれば対策をすることができます。しかし、次に紹介する「コードグラバー」という手法だと、電波を遮断するケースに入れていても車を盗まれてしまいます。

     

    コードグラバーは、車が開け閉めするときに発している微弱な電波を解析し、スマートキーの信号を複製してしまう機器になります。リレーアタックでは、スマートキーの電波を中継して車に送信していたので、電波を受信したタイミングでしか車の操作ができませんでした。しかし、コードグラバーではスマートキーの電波を解析・保存されてしまうため、近くにスマートキーがなくても一度電波を受信されてしまえば、いつでも車を操作することができてしまいます。

    リレーアタックもコードグラバーも、車両側は正規の手順で解錠、エンジン始動をされたと判断してしまうため、盗難防止アラームなども作動しません。

     

    イモビライザーを付けることで、知識の少ない車両窃盗犯から車を守ることはできますが、それだけではイモビライザーの知識が豊富な車両窃盗犯からは車を守ることができません。そのため、イモビライザーだけでなく、盗難防止アラームや、そもそも貴重品を車内に置かない、カメラの設置、ハンドルロック、タイヤを物理的にロックする、車内にGPSを設置するなどの複数の防犯対策をすることが重要です。

    イモビライザーが登場した当初は、イモビライザーが搭載されていれば防犯は完璧だということで、保険会社がイモビライザーが搭載されている車には保険料の割引が適用する制度などがありました。しかし、現在はイモビライザーも突破できると徐々に認知され、保険料の割引制度を採用する保険会社は減ってきています。

     

    まとめ

    イモビライザーについてまとめてみましたが、いかがだったでしょうか?仕組みや、判別方法が分かることで、自分の車にどういった防犯システムが搭載されているのか理解が深まったと思います。また、イモビライザーの弱点についても解説したとおり、イモビライザーは万能な防犯機能ではなく、複数の防犯対策をすることでご自身の車を守ることに繋がる事が解ったかと思います。イモビライザーの特性を理解し、皆さんの大事な車を守れるよう活用していきましょう。

     

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    藤原

    カギ本舗で作業員、兼作業員の教育を担当をしている藤原です。 皆さんの鍵のトラブルをいち早く、安心して解決できるよう取り組んでいます。

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