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鍵屋の高額請求・ぼったくり手口を全公開!レスキュー商法から身を守る「依頼前の鉄則」

投稿日 2025.11.29
更新日 2025.11.29
鍵屋の高額請求・ぼったくり手口を全公開!レスキュー商法から身を守る依頼前の鉄則
【目次】

    はじめに:なぜ「鍵屋の高額請求」はなくならないのか?

    「鍵をなくした!家に入れない!」

    そんな緊急事態に、スマホで検索して一番上の業者に電話をかける。

    「3,000円〜です」と言われて安堵していたら、現場で10万円以上を請求された——。

    これが、近年急増している鍵屋の「レスキュー商法」の典型的な被害事例です。

    こういったぼったくり業者は多大な広告費をかけてWeb検索等の様々な媒体に広告を出して集客をしているため、広告費を稼ぐために更にぼったくりをするという悪循環が生まれています。

    このような広告には「鍵開け 2,000円〜」等と、極端に安い価格が並びますが、これはあくまで「最も簡単な作業の最低価格」です。もちろん、現場の状況で料金が変わること自体は正当なことですが、悪質業者はこの「料金の不透明さ」を意図的に悪用します。

    この記事では、業界の裏側を知る視点から、悪質業者の具体的な手口適正な料金相場、そして被害を防ぐために電話で確認すべき「鉄則」を解説します。

     

    もしすでに高額請求をされてしまった場合は消費者ホットライン(局番なしで188)に電話をすることで、最寄りのクーリングオフなどの適切なアドバイスを受ける事が可能です。

    参考:独立行政法人 国民生活センター(外部リンク)

    1. 🔑 鍵屋に電話する前に!自分でチェックすべき「3つのこと」

    電話する前にチェックすべき「3つのこと」

     

    焦って鍵屋を呼ぶ前に、一度深呼吸して以下の3点を確認してください。これだけで、無料で解決したり、数万円の節約になる可能性があります。

    ① 自分で解決できるトラブルではないか?

    鍵屋を呼ばなくても復旧できるケースがあります。

    • 「家に入れない」
      • 対処法:窓の鍵や勝手口が開いていないか確認してください。防犯的には良くありませんが、意図せず開いている住宅も多いです。
    • 「鍵が回らない・抜き差しが重い」
      • 対処法:鍵穴内のホコリや汚れが原因の可能性があります。パーツクリーナーや掃除機で鍵穴のゴミを取り除き、鍵穴専用の潤滑剤を使用してください。
      • ⚠️禁止:食用油や市販の潤滑油(CRC5-56など)は絶対に使わないでください。内部でホコリが固まり、故障が悪化します。
    • 「電子錠・スマートロックが開かない」
      • 対処法:単なる電池切れのケースが非常に多いです。コンビニで電池を買って交換してみましょう。非常用電源端子が外部にあるタイプもあります。
    • 「ドアノブがぐらつく」
      • 対処法:ネジの緩みであればドライバーで締めるだけで直ります。

    自分で鍵を開ける方法は「自分で鍵を開ける方法とトラブル時の対応方法を説明」の記事でも写真付で具体的に紹介しています。

    ② 「契約先」に連絡したか?

    あなたが賃貸物件や分譲マンションに住んでいる場合、最優先の連絡先は鍵屋ではありません。

    • 管理会社・大家さん:提携している鍵屋を手配してくれる場合があり、費用が安く済む、あるいは無料になるケースがあります。
    • 保険・クレジットカード:契約内容に「駆けつけサービス(カギのトラブル対応)」が付帯していませんか?これらを利用すれば無料で対応してもらえる可能性があります。詳しくは「火災保険・賃貸契約に付帯する“鍵トラブル駆けつけサービス”の仕組みと注意点」でご紹介しています。

    ③ 検索結果の「広告」と「仲介業者」を見分けているか?

    Google検索で一番上に表示されるからといって、優良業者とは限りません。

    • 「広告」マークに注意:検索結果の上部には「スポンサー」や「広告」と書かれた枠があります。ここには、高額な広告費をかけられる「仲介業者」が多く含まれます。
    • 仲介業者を避ける理由:自社で作業員を持たない仲介業者は、マージン(仲介手数料)を抜くため料金が割高になります。また、現場の下請け業者に無理な売上を強いる構造があり、トラブルの温床になりがちです。
    • 選び方:広告枠ではなく、地図(Googleマップ)や自然検索で出てくる「地域密着型」の鍵屋(店舗住所と実態がある店)を選ぶのが安全策です。日本ロックセキュリティ協同組合の検索で最寄りでその地域に実態がある鍵屋を探すのも有効です。

    2. 💰 鍵のタイプ別!現実的な開錠・交換料金の相場

    開錠と交換の料金相場

    「〇〇円〜」という広告価格は忘れましょう。ここでは、現場で提示される現実的な「総額」の目安を公開します。

    適正料金の目安表(出張費・作業費込み)

    鍵の種類 適正料金の目安 ⚠️ 警戒すべきライン
    ディスク/ピンシリンダー(ギザギザの鍵)のピッキング解錠 15,000円〜25,000円 4万円以上
    ディンプルキー(表面に窪みがある防犯鍵)の非破壊解錠 20,000円〜35,000円 5万円以上
    ディンプルキーの破壊開錠+鍵交換(1か所) 40,000円〜60,000円 7万円以上
    • 夜間・深夜割増について:
      緊急対応のため、20時〜翌5時などは割増料金が発生するのが一般的です。しかし、適正な相場は数千円程度です。深夜だからといって料金が2倍(100%増し)になるような業者は警戒が必要です。カギ本舗では地域と時間帯によって5,000円~8,000円程度の夜間料金がかかり、事前にお伝えしてから訪問しています。

    💡 プロが教える「判断の境界線」

    ディンプルキーなどのハイセキュリティな鍵であっても、鍵開けの総額は4万5千円〜5万円程度に収まることが一般的です。

    もし現場で5万円、10万円を超える見積もりを出された場合は、即決せずに「高すぎるのではないか?」と疑ってください。高額になる理由などを確認し、他者に相談して適正かどうか判断しましょう。

    3. 🚨 現場でダマされるな!レスキュー商法の手口

    レスキュー商法の手口

    悪質業者は、あなたの「早く家に入りたい」という焦りを利用します。

    手口A:「保険で全額戻ってくる」という嘘

    法外な高額料金(例:10万円)を提示し、「火災保険で全額カバーできるから実質無料です」と断言して契約を迫る手口です。

    • 真実:多くの保険において、「鍵の紛失」による鍵開け費用は補償対象外です。対象の場合でも事前に保険屋への申請が必須になる事が多いです。鍵屋側で保険が使えると断言できる状況は稀です。
    • 対策:作業前に業者が保険会社と連絡を取っているか確認しましょう。また、不安な場合は業者の言葉を鵜呑みにせず、作業前に自分で保険会社に電話して確認してください。

    ※車の鍵開けの場合は、事前申請をすることで保険で殆どの場合対応可。ただし、作業後に申請だと使えない場合があるため注意が必要です。

    手口B:現場での「釣り上げ」

    電話では「8,000円〜」と言っていたのに、現場到着後に態度を変える手口です。

    • 不明瞭な上乗せ:「特殊工具使用料」「高難度技術料」など、根拠の不明な項目で料金を釣り上げます。
    • 後から上乗せ:作業が終わった後から費用を上乗せしてくる業者がいます。こういった場合は費用に同意せずに作業をしているため払う必要がありません。業者が恫喝してくる場合は警察や消費者センターに相談しましょう。

    手口C:「不必要な破壊」

    • 不必要な破壊:本当は壊さずに開けられる鍵なのに、「防犯性が高いから壊すしかない」と嘘をつき、高額な鍵交換(部品代+作業費)を強制的に発生させます。

    鍵の破壊が必要かどうかは、鍵穴だけでなくドアや住宅全体の防犯性によって左右されます。ドアスコープやドアポストがあればサムターン回しという手法で開けることができますし、一部の鍵屋しか持っていませんが、窓を割らずに開けるクレセント解錠という手法も存在します。

    こういった特殊な手法で開ける場合は20,000円~35,000円程度かかることが多いですが、鍵を壊すと鍵交換も含めてその倍以上の費用がかかる事が多いです。

    4. 🛡️ 悪質業者を撃退する!「依頼前の鉄則と防御策」

    悪質業者を撃退する依頼前の鉄則と防御策

    高額請求の被害に遭わないために、依頼時の電話で以下のことを実践してください。

    防御策①:電話で「金額感」を聞き出す

    ここが最大のポイントです。プロの鍵屋であれば、お客様から「鍵の種類(ギザギザかディンプルか)」や「建物の種類(戸建てかマンションか)」、「ドアスコープがあるか」を聞けば、ある程度の料金幅を予測できます。

    📞 電話でこう聞いてください:

    「鍵はディンプルキーで、マンションの玄関です。ドアスコープはあります。最大でいくらかかりますか?

    • 優良業者の回答:「ディンプルキーの場合、壊さず開けられれば〇〇円ですが、万が一壊すことになると交換込みで最大〇〇円くらいになる事が多いです。」
    • 悪質業者の回答:「現場を見ないと一切わかりません」「作業員と相談してください」

    このように情報を提示しても見積もり(目安)を拒否する業者は、現場で料金を釣り上げる可能性があるため、依頼は回避すべきです。

    防御策②:キャンセル料の「条件」を確認する

    「キャンセル料」自体は悪ではありません。作業員が車で現場へ向かう以上、ガソリン代や人件費(出張費)が発生するのは正当な対価であり、優良業者でも設定しています。

    問題なのは、「いつ」「いくら」発生するかです。

    • 確認事項:「もし現場で見積もりを聞いて、高すぎて断った場合、キャンセル料はいくらかかりますか?」
    • 警戒ライン:数千円(出張費相当)なら適正ですが、作業費と同等額や数万円のキャンセル料を請求してくる業者は危険です。

    防御策③:相場を逸脱したら「帰ってもらう」勇気

    現場で作業員に圧をかけられても、提示された金額が相場を大きく超えていたら、勇気を持って「NO」と言ってください。

    • 「検討する時間をください」と伝え、その場で別の鍵屋(地元の店舗など)に電話して相見積もりを取りましょう。
    • もし「帰るなら高額なキャンセル料を払え」と脅された場合は、「消費者センター(局番なし188)に相談します」と伝えてください。警察(#9110)への相談も有効です。

    まとめ:急がば回れが最大の防御

    鍵のトラブルは一刻も早く解決したいものです。しかし、その「焦り」こそが悪質業者の狙い目です。

    1. まず管理会社や保険会社に連絡する。
    2. 自分で検索する際は「仲介業者」を避け、「地域密着店」を探す。
    3. 電話で「金額感」「キャンセル料」を必ず確認する。

    この3ステップを踏むだけで、あなたはレスキュー商法の被害から身を守ることができます。この記事が、あなたのトラブル解決の一助となれば幸いです。

    Summary

     

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    藤原 正徳

    カギ本舗で現場作業員、兼作業員の教育を担当をしている藤原です。 鍵業界で7年間(2025年時点)活動をしており、皆さんの鍵のトラブルをいち早く、安心して解決できるよう取り組んでいます。 日本ロックセキュリティ協同組合が検定をしている錠施工技師の3級認定技術資格者。

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