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【MIWAの鍵】鍵の特徴と自分で交換できる鍵・鍵の種類の見分け方

投稿日 2021.01.15
更新日 2025.10.11
【MIWAの鍵】鍵の特徴と自分で交換できる鍵・鍵の種類の見分け方
【目次】

    鍵が壊れた、防犯性を上げたい、DIYしてみたい等の理由で、自分で鍵を交換したいと考える人もいらっしゃると思います。しかし、MIWA製品は種類が豊富で構造が複雑ものもあるため、一部の鍵交換では難易度が高く一般の方では交換が難しいケースがあります。

    特に、交換に高度な知識が必要な鍵を無理に自分で交換しようとすると、部品の誤購入やドアの破損など、無駄な出費や大きなトラブルにつながるリスクがあります。

    今回の記事ではMIWA製の鍵に焦点を当てて、どんな鍵なら自分で交換できるのか、部材の選び方や交換時の注意点などを説明していきます。

    【最重要】自分のMIWA鍵の種類と型番を見分ける方法

    鍵を交換する場合は、既存のドアや錠ケースに適合するシリンダーを入手しないと交換できず、無駄な出費のみ発生しています。そのため、ここではMIWAの鍵の種類や型番の見分け方をご紹介します。MIWAのシリンダーは鍵穴の形、錠ケースの刻印、ドアの厚みの組み合わせで確認することができます。

    鍵の種類の見分け方① 錠ケースの刻印

    下図のように錠ケースに刻印された型番を見ることで見分けることができます。

    ケースロック

     

    鍵の種類の見分け方② 鍵穴の形

    MIWAの鍵の種類は鍵穴の形状で判別することができます。

    ディスクシリンダー

    ディスクシリンダー錠(ウェハータンブラー錠)

     

    URシリンダー

    URシリンダー

    現在は廃盤になっているギザギザタイプの鍵です。ピッキングに強いロータリーディスクタンブラーとロッキングバー機構を採用しています。ただし、鍵穴を壊して開ける破錠に弱い傾向があります。リバーシブルタイプの鍵なので、どちら向きに挿しても使うことができる便利な製品ですが、鍵の切り込みが深いところは耐久性が低く、鍵が折れやすくなっています。ディスクシリンダーほどではないですが、防犯性を考えると交換をした方が鍵穴と言えるでしょう。

     

    U9シリンダー

    U9

    現在のMIWA製品のなかでも主力商品となっているギザギザタイプの鍵です。ピッキングに強いロータリーディスクタンブラーとロッキングバー機構を採用しています。耐鍵壊し性能はグレード1からグレード3まであり、グレード3の場合は耐かぎ穴壊し性能が10分以上と最高性能となっています。鍵はリバーシブルタイプではないので、鍵穴に鍵を挿す方向が決まっているため、お年寄りや弱視者には使いづらいこともあります。

     

    PRシリンダー

    PRシリンダー

    MIWA製のディンプルキーで高い防犯性をもつ鍵として有名です。ピッキングに強いアンチピッキングタンブラーとロッキングバー機構を採用しています。耐鍵壊し性能はグレード1からグレード3まであり、グレード3の場合は耐かぎ穴壊し性能が最高性能となっており、CP認定錠となっています。鍵はリバーシブルタイプのため、どちら向きに挿しても鍵を開けることができ、URシリンダーとは異なり鍵自体の強度も高いです。

     

    PR-Jシリンダー

    PR-Jシリンダー

    PRシリンダーとほぼ同様の性能ですが、鍵を挿しこむ部分がすり鉢状の蓄光リングになっており、夜間でも鍵の差し込みがスムーズになるなど使いやすさが向上しています。

     

    JNシリンダー

    JNシリンダー

    ピッキングが困難なディンプルキーで、精度の高い斜めピンを採用しています。耐鍵壊し性能はグレード1からグレード3まであり、グレード3の場合は耐かぎ穴壊し性能が最高性能となっており、CP認定錠となっています。鍵はリバーシブルタイプのため、どちら向きに挿しても鍵を開けることができます。鍵を紛失した場合でも、鍵交換せずに鍵の変更ができるチェンジキーシステムを持ったJCシリンダーに変更が可能です。JCシリンダーの場合はオプションで、オーナー以外のキー複製をシステム的に防止できる「セキュリティ認証IDシステム」への登録が可能です。

    その他のシリンダー

    上記以外では、近年ではWRシリンダー、LBシリンダーなどの最新のシリンダーも発売されています。MIWAの公式ホームページに特徴などが記載されていますので、上記の画像に該当しない場合などはご確認ください。

    鍵の種類の見分け方③ ドアの厚み

    ドアの厚みによって製品が分かれています。ドアの厚みが29mm~33mmに適合するシリンダー、33mm~42mmに適合するシリンダー等と品番自体が別れているので、ドアの厚みを正確に測ることが重要です。

    ドアの厚みを測る際はシリンダーの真下の部分でドアの厚みを測ると正確に厚みを測ることができます。また、シリンダーの部分に土台のような板(長座)がある場合は、長座の分の厚みもドアの厚みに加算すると適合するシリンダーを見つけることができます。

    ドアの厚みの測り方

     

    上記3つの情報を組み合わせることでシリンダーの特定が可能です。

    例えば①の錠ケースの刻印がLAシリーズで、②U9というシリンダーが付いており、③ドアの厚みが38mmの場合はU9 LA ドア厚38mmに適合するシリンダーを取り付けることができます。またLAとドア厚さえ適合すれば、鍵穴の形状は変更可能で、PR LA ドア厚38mmなどの更に防犯性の高いシリンダーに交換することも可能です。

    しかし、以下に該当する場合は、適合しないリスク作業難易度の高さから、自分で交換せずにプロの業者に依頼するのが最も安全で確実です

    • 引き戸の鍵:引き戸の鍵交換は錠前の位置調整が必要になるが、なぜ位置調整が必要になるのか、何を基準に位置を調整するのか理解しないと交換しても不具合が出る。
    • 廃番になっている鍵:廃番になっている製品から別の製品に交換する場合は、ドアの加工や錠前全体の知識が必要になるため困難。ディスクシリンダーなどが該当。
    • 錠ケースに”BH”や”BHSP”と刻印されている鍵:BHやBHSPの鍵は鍵交換をする際に、純正キーを使って特定の手順を踏まないとシリンダーの取り外しができないようになっている。シリンダーの内筒と外筒の仕組みを理解していないと交換が難しい。錠ケースの刻印を確認する方法については後述。
    • 集合住宅のエントランスと連動している鍵:エントランスと連動している鍵の場合は逆マスターシステムなどで組まれている事が多い。そのため、メーカーに専用シリンダーを発注する必要があり、一般の方では入手が困難。
    • 電子錠や電気錠の鍵:高額な製品であり、誤購入時の被害額が大きいためリスクが高い。

    ご自身の鍵が上記リストに該当する、または3つの見分け方を試しても型番が特定できなかった場合は、それ以上時間や費用をかけるのは非効率です。

    すぐに鍵交換を依頼したい自分の鍵が交換できるかわからないという方は、ぜひカギ本舗にご相談ください。MIWA製品の豊富な知識を持つ作業員が、お客様の鍵に最適な対応をご提案します。

    カギ本舗への電話相談はこちらの画像をクリック

    自分で交換するための手順

    上記の難易度の高い鍵に該当せず、U9やLAなど比較的簡単な製品の方は、DIYで鍵交換が可能な場合が多いです。ここでは最も簡単なMIWA LAタイプシリンダーのみの交換方法を解説します。

    必要な道具

    プラスドライバー、マイナスドライバーになります。

    新しい鍵を購入する時の注意点

    適合したシリンダーを購入すること

    錠ケースの刻印、ドアの厚み、テールピースの長さを測定することで適合するシリンダーを調べることができます。

    交換方法も予習した上で購入すること

    購入したシリンダーの取り付け方法が複雑だと、せっかく購入しても自分で取り付けることができません。

    鍵が何個付いているか調べること

    MIWAの鍵は1つのシリンダーにつき3本鍵が付いてくることが多いです。鍵が不足する場合は合鍵を作らなければいけませんが、ディンプルキーなどの特殊な鍵の場合は、合鍵の追加発注で納期が3週間~4週間ほどかかります。

    作業自体の注意点

    • 作業をする際はビスなどを失くさないように、ビスを保管するための空箱などを用意しておきましょう
    • 鍵の交換では、そこまで力を込めなくても出来る事が殆どです。力を込めなければ先に進めない場合は、本当に力を入れて問題ないのか交換方法を再度確認しましょう。
    • シリンダーに刻印されているメーカーロゴが、上側に来るように取り付けましょう。逆に取り付けてしまうと、故障しやすくなってしまったり、本来の性能を発揮できない場合があります。

    交換手順:実践と「やめるべきサイン」

    交換手順①

    錠ケースのビスを外します。2か所ビスを外すと、フェイスといわれる金属板が取れるようになるので、落下しないように指で押さえながらビスを外しましょう。

    ビスが取れたらフェイスの板は取り外して問題ありません。

    手順①錠ケースのビスを外す

    交換手順②

    錠ケースの横にピンが、室内側に2本、室外側に2本の合計4つ入っています。シリンダー交換をする場合は、シリンダー側についているピンを2か所取り外しましょう。

    ピンを取り外すとシリンダーが取れる状態になるので、指でシリンダーを押さえましょう。

    手順②ピンを外す

    交換手順③

    シリンダーを取り外しましょう。

    手順③シリンダーを取り外す

    交換手順④

    取り外した時の逆の手順で新しいシリンダー、ピン、フェイス、ビスを取り付けましょう。

    ピンが奥まで入らない場合はドライバーの柄の部分で軽く叩いてあげるといいでしょう。

    手順④シリンダーを取り付ける

    交換手順⑤

    扉を閉めた状態で鍵を回したり、サムターンを動かして動作確認をしましょう。

    LAタイプの交換手順は見た目にも分かり易いため初心者の方にもお勧めです。シリンダーのタイプによっては初心者では交換が難しい場合もありますので、無理だと判断したら錠前やドアに傷をつけてしまう前に早めに鍵屋に連絡しましょう。

    作業中に不安になった・失敗しそうになったら

    LAタイプの交換手順は初心者の方にもお勧めですが、力を込めても進まない場合や、ビスなどを紛失した場合は、無理に作業を続けないでください。錠前やドアに傷をつけてしまう前に、すぐにプロに連絡しましょう。

    鍵の交換時期と寿命

    普段皆さんが使っている自宅の鍵ですが、実は鍵穴の中に雨風が入ってきたり、鍵穴に鍵を挿しこむことで金属が擦れて日々少しづつ経年劣化しています。そのため、ある程度年数が経った鍵は、故障する可能性があるため、年数が経った鍵は交換すると良いと言われています。鍵の交換を検討するタイミングとしては以下があります。

    • 鍵の寿命が近い時(一般的な鍵の寿命は10年、電気錠は7年)
    • 経年劣化等により鍵に不具合を感じた時
    • 鍵の防犯性能を上げたい時
    • 鍵の紛失等により、前の鍵で開けられないようにしたい時
    • 引っ越しなど、前の住民が使用していた鍵と交換したい時

    補足

    鍵に不具合を感じた時に鍵の交換を検討する方は多いです。しかし、不具合を感じても、鍵穴部分が不具合を起こしているとは限りません。下の写真のように、鍵は錠ケース、シリンダー、サムターンで構成されていることが多いので、鍵穴以外の不具合も疑うようにしましょう。どの部位が不具合を起こしているかは、各部位を単体で動かしてみることで確認することができます。
    錠ケースとシリンダー

    鍵の寿命について

    普段皆さんが使っている自宅の鍵ですが、実は鍵穴の中に雨風が入ってきたり、鍵穴に鍵を挿しこむことで金属が擦れて日々少しづつ経年劣化しています。そのため、ある程度年数が経った鍵は、故障して締め出しなどが発生する可能性があるため、年数が経った鍵は早めに交換すると良いと言われています。先にも述べた通り、一般的な鍵の寿命はおおよそ10年、電気錠は7年ほどと言われています。(参考:錠の耐用年数についてのガイドライン(外部サイト))

    もちろん鍵をどのぐらいの頻度で使うのかで、もっと寿命が長い場合もあります。ただし、鍵穴の中の金属がどうなっているかは一般の方では見ることができないので、鍵が壊れて締め出されてしまうリスクを考えると10年経ったら交換してしまうのが良いでしょう。

    また、鍵の技術は毎年進化しており、防犯性能は一昔前に比べて格段に進んでいます。そのため、定期的に鍵交換をすることで、住宅の防犯性を常に最新の状態に保つことが可能です。例として、平成12年(2000年)頃にニュースになっていたピッキング被害ですが、平成12年頃には認知件数が29,211件だったのが、ピッキング対策された鍵が普及しはじめて平成16年には4,355件、令和元年には124件にまで減っています。

    ピッキング件数推移

    【参考】
    警察庁 – 平成16年の犯罪情勢
    警察庁 – 令和元年の刑法犯に関する統計資料 

    鍵の防犯性能

    鍵の防犯性能を考える上で重要な視点

    鍵自体の防犯性能の指標としては、主に以下の3つがあります。MIWA製のシリンダーですと、近年販売されているものはピッキング対策されていますが、耐かぎ穴壊し性能や合鍵作製の条件が違うので、その部分で比較をすると良いでしょう。

    ①鍵の耐ピッキング性能

    ピッキングに対してどれぐらい耐えられるのかの指標があります。防犯性が高い鍵は耐ピッキング性能が10分以上になっています。この指標は鍵穴(シリンダー)を購入した時に商品の性能表として記載されています。

    ②耐かぎ穴壊し性能

    ピッキング対策がされた鍵が普及するにつれ、鍵穴を壊して開ける手法が一般的になりました。そのため、ドリルやホールソーなどを使った破錠に耐えられる鍵穴は防犯性が高いと言えるでしょう。最近住宅向けに発売される鍵は防犯性が高い物ばかりでピッキングなどは効かなくなっているため、耐かぎ穴壊し性能は防犯を考える上で非常に重要な項目です。

    ③不正な合鍵作製に対する対応

    他人が不正に合鍵を作れないようにすることも防犯上必要です。不正な合鍵作製の対策としては、

    ・ディンプルキーなどの複雑な形状で合鍵を作れなくすること

    ・鍵に刻印されたシリアル番号を元に合鍵を作製する場合は、シリンダー購入時に付属されているセキュリティカードの提示が求められること

    などが挙げられます。こういった対策がされていない鍵ですと、ホームセンターで手軽に合鍵を作られてしまい、鍵を使って不正に侵入される恐れがあります。

    業者に依頼する場合の費用と確認するべき事

    カギ本舗では以下の価格にてご対応させていただいております。交換の費用は、部品代によりお値段は変わりますが、作業費は一律で承っております。交換する鍵の種類が決まれば、費用を事前にお伝えしております。是非、お気軽にお問い合わせ下さい。

    鍵修理の料金

    作業内容 料金(税込)
    修理(軽作業) 8,800円~
    修理(中作業) 16,500円~
    修理(高度技術) 33,000円~
    鍵抜き 8,800円~
    シリンダー組み換え 22,000円~

    ・鍵交換の料金

    作業内容 料金(税込)
    簡単な鍵の交換 11,000円~ +部材費別途
    引き戸の鍵交換 16,500円~ +部材費別途

     

    より具体的な費用感

    上記の料金だと総額が分からず不安になる人も多いかと思います。そこでこの金額が多いという部品代込みの費用感の概算をご紹介します。鍵の種類によってはこれ以上の費用にもなることがありますし、これ以下の金額にもなることがあるため、あくまで概算の価格として参考にしてください。

    作業内容 費用感
    錠前の分解を伴わない簡単な修理 8,800円~16,500円
    錠前の分解を伴う修理 16,500円~27,500円
    重度の不具合による修理 27,500円~33,000円
    開き戸のギザギザした鍵への交換 16,500円~25,000円
    開き戸のディンプルキーへの交換 27,500円~38,500円
    引き戸の鍵交換 27,500円~44,000円
    電子錠への交換 77,000円~132,000円

     

    カギ本舗の作業事例

    簡単な鍵の修理

    作業内容:U9シリンダーの鍵が折れてしまったため、鍵穴表面から鍵抜き作業。

    作業料金:8,800円(税込)

    作業時間:5分

     

    分解を伴うシリンダーの修理

    作業内容:錠ケースの不具合で鍵が回らなくなっていたため、錠前を分解洗浄して修理。

    作業料金:22,000円(税込)

    作業時間:40分

     

    MIWAのギザ鍵から防犯性の高いディンプルキーへの交換

    作業内容:MIWAのURシリンダーから防犯性の高いPRシリンダーというディンプルキーへ交換。

    作業料金:34,100円(税込)

    作業時間:30分

     

    MIWAの鍵をピッキング対策された鍵へ交換

    作業内容:MIWAのLSP型のディスクシリンダーが付いていたため、ピッキング対策されたU9シリンダーへ交換。

    作業料金:23,100円(税込)

    作業時間:10分

     

    まとめ

    カギ本舗は、MIWA製品の構造を熟知した鍵交換のプロです。錠施工技師の資格を持っており、高難易度の施工にも対応しております。「自分の鍵がどれかわからない」「難しい鍵だと分かった」「作業に失敗した」など、どんな状況でもお客様をサポートいたします。お電話やLINEで無料相談も可能ですので、どうぞお気軽にご連絡ください。

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    藤原 正徳

    カギ本舗で現場作業員、兼作業員の教育を担当をしている藤原です。 鍵業界で7年間(2025年時点)活動をしており、皆さんの鍵のトラブルをいち早く、安心して解決できるよう取り組んでいます。 日本ロックセキュリティ協同組合が検定をしている錠施工技師の3級認定技術資格者。

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