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鍵穴に接着剤を入れられた!鍵が開かないときの原因と対処法

投稿日 2025.05.02
更新日 2025.05.02
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【目次】

    突然、玄関の鍵穴に接着剤を入れられて鍵が開かない…そんな緊急事態でも落ち着いてください。 鍵穴の接着剤いたずらは 故意の嫌がらせによるもの で、自力での完全修復が難しいケースが多いです。この記事では、原因と考えられる状況、そして接着剤の場所による対処法の違いをわかりやすく解説します。ほとんどの場合は専門の鍵業者(鍵屋)に依頼して速やかに開錠・鍵交換する必要がありますが、まずはできる範囲で確認すべきポイント も紹介します。被害に遭った際の警察への相談や再発防止策まで説明しますので、落ち着いて順番に対処しましょう。

    また、どうしても自分で解決できない場合はカギ本舗で住宅の鍵開け、鍵の修理、交換の対応が可能です。電話で料金などのご案内も可能なので、お困りの際はぜひご連絡ください。

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    鍵穴に接着剤を入れるいたずらの原因と被害状況

    鍵穴に接着剤を入れる行為は 悪質ないたずらや嫌がらせ が主な原因です。例えば近隣トラブルや人間関係のもつれ(別れ話の恨みなど)で、相手を困らせる目的で行われるケースがあります。もちろん偶然起こるものではなく 誰かが意図的に行った犯罪行為 です(法律上は「器物損壊罪」に該当します)。鍵穴が接着剤で塞がれると 鍵が差さらない・回らないため家に入れない 深刻な被害になります。実際、同じ人が 繰り返し接着剤を入れる 悪質な例もあり、一度きりで終わらないこともあります。まず被害に遭ったら「なぜ?」と不安になると思いますが、鍵やドア自体の故障ではなく他者のいたずら だと理解し、以下の対処に移りましょう。

    まず他の出入口から家に入れるか確認しよう

    他の場所から入れるか確認

    玄関の鍵穴が使えない場合、自宅に別の出入口がないか確認 してみましょう。たとえば勝手口や裏口、ベランダ経由で入れる窓などが開いていれば、そこから室内に入れる可能性があります。運良く家の中に入れた場合、内側から玄関の鍵を開けられるか試してみてください(内側にサムターン〈つまみ〉があれば回せるか確認)。内側から開錠できればひとまず室内に入れますので、後述する方法で 鍵穴を交換する対処 を行いましょう。もし裏口も含め全ての出入口が使えない場合 は、残念ながら自力では家に入れません。この場合は無理にこじ開けようとせず、次の手順に進んでください(「家に入れない!家の鍵が無い時の4ステップ対処法」 も参考になります)。

    鍵穴の状態を確認:接着剤は表面だけ?奥まで?

    続いて、鍵穴に付いた接着剤の状態 をよく観察しましょう。接着剤が鍵穴の表面に固まっているだけなのか、シリンダー内部まで流し込まれているのかで、この後の対処法が変わります。表面に盛られたように見える場合は、浅い位置で固まっている可能性があります。一方、見た目では分かりづらくても ノズルなどで奥深くまで接着剤を注入されたケース では、鍵穴内部(タンブラーやピンと呼ばれる部品周辺)まで接着剤が行き渡り、非常に厄介です。無理に鍵を差し込もうとして奥に押し込まれた場合も含め、内部に接着剤が達していると判断できる場合は、自分で除去するのはほぼ不可能になります。まずは以下に、接着剤が付着した場所による対処の違いをまとめます。

    鍵穴の状態を確認する際の注意事項

    ✅ 鍵穴の表面に付着している場合

    • 自力での復旧:比較的可能。慎重に固まった接着剤を削り取れば開く可能性があります。ただし無理は禁物。
    • 必要な処置:接着剤を除去後、鍵穴内部を掃除。問題なく鍵が回ればOK。違和感が残る場合は念のため鍵交換。

     

    ❌ 鍵穴の内部深くまで達している場合

    • 自力での復旧:困難。自力で取り除くのはほぼ不可能。無理に触ると悪化する恐れ大。
    • 必要な処置:専門の鍵業者に依頼して開錠してもらい、シリンダー交換(鍵穴ごと交換)が必要。現状の鍵は使用不能と考える。

    上記のように、表面だけの軽度な場合は自分で対処できる可能性もわずかにありますが、内部まで接着剤が達した場合はプロに任せるのが安全です。次章から具体的な対処法を詳しく見ていきましょう。

    鍵穴表面に付いた接着剤は自分で除去できる?

    鍵穴のごく浅い部分に接着剤が付着して固まっている場合、慎重に取り除けば自力で対処できる可能性があります。 接着剤がゴム状に柔らかい場合は爪やピンセットでゆっくり剥がすことを試みましょう。硬くカチカチに固まっている場合は、裁縫用の針や細い精密ドライバーなど先の細い工具で少しずつ削るように除去します。このとき、鍵穴の奥に削りカスや接着剤の塊を押し込まないよう細心の注意が必要です。多少時間はかかりますが、焦りは禁物 です。

    場合によっては、マニキュアの除光液(アセトン)を綿棒に染み込ませて接着剤を軽く溶かす方法もあります。ただしドアの塗装を傷めるリスクがあるため、周囲に付着しないよう注意しましょう。またドライヤーなどで加熱して接着剤を柔らかくする方法はおすすめできません。 瞬間接着剤は熱に弱いとはいえ、鍵穴内部まで均一に熱を加えるのは難しく、やけどや部品変形の危険があります。自力で除去できた場合は、キーを差し込んでみてスムーズに回るか確認してください。少しでも引っかかる感じがあるなら、無理に使い続けず早めに鍵交換するほうが安心です。不安が残る場合や除去がうまくいかない場合は、作業の途中でも鍵屋に相談することを検討しましょう。

    自分で対処する際の注意点(NG行為)

    • 無理に鍵を差し込んで回そうとしないこと。 力任せに鍵を挿入すると、接着剤がさらに奥まで押し込まれたり、鍵が折れて二次被害につながったりします。
    • 火や高熱で焼き切ろうとしないこと。 ライター等で炙るのはドアを傷めるだけでなく火災の危険があります。前述のとおりドライヤーの使用も避けましょう。
    • 他の接着剤や即興の道具で取ろうとしないこと。 例えば細い棒の先に別の接着剤を付けて中の異物を引っ張り出そうとする方法は、失敗すると余計に接着剤が増えてしまいます。綿棒や爪楊枝で無理にほじるのも逆効果です。
    • 潤滑スプレーの安易な使用は避ける。 CRCやシリコンスプレーを吹きかけても接着剤が溶けるわけではなく、かえってベタつきが増して除去しにくくなる場合があります。

    自力対処はあくまで軽度の場合のみ試し、ダメなら早めに次のステップに移ることが肝心です。無理をして状況を悪化させないよう注意してください(鍵が差さらないなどのトラブル一般については「鍵が抜けない、差せない、鍵穴トラブル解決方法!簡単掃除方法も紹介」の記事も参考になります)。

    接着剤が内部まで及んでいる場合は鍵屋に任せよう

    鍵穴の奥深くまで接着剤が入り込んでいると感じられる場合や、自分では除去できなかった場合は、早急に専門の鍵業者(鍵屋)に依頼しましょう。 接着剤でキーが使えない状態でも、プロの鍵師であれば特殊な開錠工具でドアを開けることが可能です。状況によってはシリンダーを壊して開ける「破壊開錠」が必要になるケースもありますが、被害を最小限に抑えて開錠してくれます。開錠後は再び同じ鍵を使うことは基本的にできません。接着剤が内部に残っていると再発や故障の原因になるため、シリンダー(鍵穴部分)自体の交換が必要です。鍵屋に依頼すれば、その場で 新しい鍵穴(シリンダー)や錠前に交換 してもらえます。鍵穴内部の精密部品に付着した強力接着剤は完全に除去するのが難しく、仮に開錠後すぐは使えても後々不具合が起こるリスクがあります。「今は開いたから大丈夫」と放置せず、念のため鍵交換までセットで対応するのがおすすめです。

    鍵屋に依頼することで、短時間で確実に玄関を開けてもらえ、その後も安心して暮らせるようになります。業者によって料金は異なりますが、緊急出張での開錠・交換作業となるため 数万円程度の費用 は見込んでおきましょう。賃貸住宅の場合は、勝手に交換するとトラブルになることもあるので管理会社や大家さんに連絡し、費用負担についても相談してください。また、依頼する業者は慎重に選ぶことも大切です。緊急時でも焦らず、信頼できる鍵屋を選ぶポイント をおさえて依頼しましょう(選び方の詳細は「鍵屋を選ぶ時の注意点!信頼できる業者を選ぶために」を参考にしてください)。

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    警察への通報と被害届提出は必須

    警察へ通報と被害届について

    鍵穴への接着剤投入は明らかな犯罪行為ですので、必ず警察に通報し被害届を提出しましょう。被害に気づいた段階で、可能ならまず110番通報して警察官に現場を確認してもらうのが理想です。犯人の心当たりがなくても「玄関の鍵穴に接着剤を入れられた」と伝えれば対応してくれます。現場の写真も撮影しておくと証拠になりますし、後日犯人が見つかった場合に備えて記録を残しておくことは重要です。警察に届け出ずに泣き寝入りで鍵だけ交換してしまうと、再び同じ嫌がらせを受ける可能性があります。実際に「またやられた…」と何度も鍵交換を余儀なくされた被害者もいますので、 再発防止のためにも警察沙汰にすることが抑止力 になります。一度届け出ておけば、もし連続被害になっても警察が捜査しやすくなり犯人逮捕につながるかもしれません。

    なお、賃貸物件の場合は警察対応に加えて管理会社や大家にも速やかに報告しましょう。他の入居者への被害拡大を防ぐため、防犯カメラの設置など建物全体の対策を検討してくれる可能性もあります。また、被害届を出したことを伝えておけば管理側も真剣に対応せざるを得ないため、再発時の連携も取りやすくなります。

    再発防止の防犯対策も忘れずに

    嫌がらせによる被害を受けた後は、二度と同じ目に遭わないよう防犯対策を強化しましょう。まず有効なのは 防犯カメラやドアスコープカメラの設置 です。玄関先に小型カメラを付けておけば、不審者は犯行を思いとどまる可能性が高まりますし、仮に再度接着剤を入れられても録画映像が証拠となります。経済的な負担が厳しければダミーカメラや人感センサーライトを設置するだけでも抑止力になります。

    次に、鍵自体の防犯性を高める対策も検討しましょう。今回のように鍵穴を物理的に塞がれる被害には、鍵穴にシャッター(蓋)が付いたタイプの錠前が有効です。普段使わないときは鍵穴部分を蓋で覆えるため、異物を入れられにくくなります。また、思い切って キーレス錠(スマートロック)に交換するのも手です。電子錠ならそもそも鍵穴が存在しないため、接着剤いたずらの心配がなくなります。

    さらに、日頃から近隣住民とのコミュニケーションにも気を配りましょう。生活音やちょっとしたトラブルがエスカレートして嫌がらせに発展するケースもあります。心当たりがある相手には直接対決せず、警察を通じて注意喚起してもらうなど冷静に対処してください。自宅周辺で不審者を見かけた場合も記録して警察に伝えると良いでしょう。

    まとめ:焦らず適切な対処とプロへの相談を

    鍵穴に接着剤を入れられて鍵が開かない状況は非常に焦りますが、適切な手順で対処すれば解決できます。 まずは警察に通報して被害を記録し、可能であれば別経路から室内に入りましょう。接着剤が表面だけなら慎重に除去を試みますが、無理は禁物。少しでも難しければ早めに鍵屋に連絡して開錠・交換を依頼するのが確実です。プロの手で新しい鍵に交換すれば安心感を取り戻せるはずです。最後に再発防止策もしっかり講じて、二度と同じ被害に遭わないようにしましょう。

    接着剤による鍵トラブルは放置せず、早めに専門家へ相談することが肝心です。 緊急時には信頼できる鍵のプロに依頼し、ご自身と家族の安全を最優先に行動してください。どんな鍵のトラブルでも慌てず対処すれば乗り越えられます。困ったときはいつでも遠慮なく鍵の専門業者に相談しましょう。あなたの安心・安全を守るための適切なサポートを受けることができます。

     

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    藤原 正徳

    カギ本舗で作業員、兼作業員の教育を担当をしている藤原です。 皆さんの鍵のトラブルをいち早く、安心して解決できるよう取り組んでいます。日本ロックセキュリティ協同組合が検定をしている錠施工技師の3級認定技術資格者。

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