新居・引っ越し時に鍵交換は必要？–交換しない場合のリスクとメリット

賃貸物件への新規入居や中古住宅を購入して新居に引っ越す際、「鍵交換は本当に必要だろうか？」と迷う方も多いでしょう。初期費用を抑えるために鍵交換代を節約したい気持ちもありますが、防犯面での不安も捨てきれません。本記事では、引っ越し先で鍵交換をしない場合のリスクとメリットを整理し、賃貸・中古物件それぞれのケースでの注意点について解説します。また、鍵交換をする場合の方法や業者への依頼についても触れ、安心して新生活をスタートするためのポイントを詳しくご紹介します。

すぐにでも鍵交換をしたいという方は「カギ本舗」にご相談ください。カギ本舗は全国各地で鍵交換の対応をしており、技術者がコールセンターに常駐しているため詳しい費用のご案内も可能です。

鍵交換をしない場合のリスク

新居で前の入居者が使用していた鍵をそのまま使い続ける場合、いくつかの防犯上のリスクが考えられます。主なリスクは次のとおりです：

• 前入居者や関係者による無断侵入の可能性：以前の入居者やその知人などがスペアキーを密かに所持していると、こちらの知らない間に住宅へ侵入できてしまいます。実際に「退去した前居住者が無断で合鍵を使い室内に侵入し、盗難事件を起こした」ケースも報告されています。鍵交換をしないままだと、こうした犯罪被害のリスクが残ってしまうのです。
• 不特定多数にスペアキーが渡っている可能性：前の持ち主が合鍵を作っていなかったとしても、その鍵が過去に紛失・盗難に遭っていたり、工事業者・清掃業者など複数の第三者の手に渡っている可能性も否定できません。誰の手に鍵があるか把握できない状態では、防犯面で大きな不安が残ります。
• 古い鍵・錠前そのものの防犯性の低さ：築年数の古い物件では、昔ながらのディスクシリンダー錠やピンシリンダー錠など防犯性能が低い鍵がそのまま使われているケースがあります。これらの鍵はピッキングによる解錠が容易で合鍵の複製も簡単なため、空き巣に狙われやすい傾向があります。鍵交換をしないということは、古い錠前の弱点も放置することになり、防犯上リスクが高まります。
• 心理的な不安の継続：実害が出ていなくても、「もしかすると他人が自分の家の鍵を持っているかも知れない」と考えながら生活するのは精神的なストレスになります。新居で安心して暮らすためにも、鍵交換をしておく方が安心感を得られるでしょう。

以上のように、防犯リスクや不安要素を踏まえると、入居時には新しい鍵へ交換する事が望ましいです。特に大切な家族や財産を守るためには、鍵交換をしておくことで安全を強化できると言えるでしょう。

鍵交換をしない場合のメリット

一方で、鍵を交換しないままでいることにはどんなメリットがあるでしょうか。主なポイントを挙げてみます：

• 費用負担を抑えられる：鍵交換をすれば当然ながら交換費用が発生します。鍵の種類にもよりますが、一般的な玄関シリンダー錠の交換費用相場は部品代・作業代込みで約15,000〜25,000円程度が目安です（防犯性の高いディンプルキーでは25,000円以上になる場合もあります）。鍵交換をしなければ、これら数万円の出費を節約できることになります。初期費用をできるだけ抑えたい方にとって、交換しないメリットは経済的負担の軽減と言えるでしょう。
• 手間や時間を省ける：鍵交換を依頼したり自分で作業したりするには時間と手間がかかります。業者を手配する日程調整や、DIYの場合は適合する部品の購入・交換作業などが必要です。交換しない場合、そうした手続きを行わずに済むため、引っ越し後すぐに日常生活に入れるメリットがあります。特に遠方への引っ越しや忙しい場合、鍵交換の段取りを省略できるのは一つの利点です。
• 物件によっては交換不要なケースもある：新築物件や、前入居者退去時に既に鍵交換済みの賃貸物件では、改めて交換する必要性は低いでしょう。例えばハウスメーカー施工の新築住宅では、引き渡し時に施主（新居の持ち主）にしか使えない新しい鍵セットが渡され、工事用の鍵は無効化されるシステムになっている場合があります。また賃貸でも、入居前に管理会社が新品の鍵に交換している場合は、防犯上ひとまず安心して入居できます。そのような場合は無理に追加の鍵交換をしなくても支障はありません。

※ただし、「交換しなくても大丈夫そうだ」という状況であっても、鍵の紛失歴や前住人の人となりなど把握しきれない部分は残ります。メリット面と前述のリスク面を天秤にかけ、少しでも不安があるなら鍵交換するに越したことはないというのが防犯の専門家の共通した意見です。

賃貸物件へ入居する場合の鍵交換 – 注意点と対策

賃貸アパート・マンションへの入居時は、その物件を管理する不動産会社や大家さんとの契約内容に沿って鍵交換の有無が決まるケースが一般的です。賃貸物件の場合、以下のポイントに注意しましょう。

入居時に鍵交換済みか確認

最近の賃貸では、新しい入居者を迎える前に管理会社がシリンダー交換を行うことが多くなっています。契約時に「鍵交換代」として費用を請求されている場合、その費用で前入居者から鍵を回収した後に新しい鍵へ交換する作業が行われているはずです。まずは契約書や重要事項説明で鍵交換について言及があるか確認し、交換実施の有無を把握しましょう。もし不明な場合は入居前に管理会社へ「鍵は新しく交換済みですか？」と問い合わせることをおすすめします。

鍵交換費用の負担者

賃貸の鍵交換費用は誰が負担するか明確な法律はありませんが、実務上は借主（入居者）が負担するケースがほとんどです。国土交通省のガイドラインでは本来「鍵交換費用は貸主負担が妥当」とされていますが（努力義務）、多くの賃貸契約では特約で入居者負担と定められています。そのため初期費用に鍵交換代○○円が含まれている場合、基本的には入居者側で支払う形になります。ただし物件によっては前の入居者が退去時に負担済みで、現入居者には請求されないケースもあり得ます。不明点があれば契約前に管理会社に確認しておくと安心です。

鍵交換を拒否・省略できない場合がある

鍵交換費用を負担したくないので「交換しないまま入居したい」と交渉する方も稀にいますが、現実には大家側が鍵交換無しの入居を認めるケースは少ないです。多くの大家・管理会社は「新しい入居者には必ず鍵交換する」という方針であり、防犯上の理由から交換拒否の希望は通らないことがほとんどです。どうしても交換したくないという場合、極端なケースでは契約そのものを断られる可能性もあります。安心安全に暮らすための措置ですので、基本的には受け入れておく方が賢明でしょう。

自分で鍵交換する際は必ず許可を取る

万一、契約時に鍵交換が行われず「借主の判断で任意に交換してよい」という状況だった場合でも、勝手に自分で鍵を交換するのはNGです。賃貸物件ではドアや錠前も物件の一部であり、無断で改造すると契約違反となります。必ず事前に大家さん・管理会社に相談し、許可を得てから交換しましょう。無断交換すると、いざという時（火災や漏水など緊急時）に管理側が入室できず被害が拡大する恐れがありますし、発覚した際に原状回復や損害賠償を求められる可能性もあります。許可が下りれば自費で好きな鍵へ交換することも可能ですが、その場合でも退去時には元の鍵に戻してほしいと言われる事があります。

賃貸物件の鍵交換に関する詳しい解説や費用負担の考え方については、当サイトの別記事『賃貸物件の鍵交換の費用は借主が負担する？知ると得する費用に関する知識』でも紹介しています。賃貸で鍵交換を行う際の参考として、ぜひ併せてご覧ください。

中古住宅を購入した場合の鍵交換 – 注意点とおすすめ対策

中古の一戸建てや分譲マンションを購入した場合は、賃貸と異なり自分自身で鍵交換の要不要を判断しなければなりません。前の所有者から鍵一式を受け取ったからと言って、そのまま使い続けるのは非常にリスクが高いと言えます。

前所有者以外にも鍵を持つ人がいる可能性

家の前オーナーだけでなく、過去に合鍵を渡した親族・知人、リフォーム業者や仲介業者の担当者など、想定外の人物がスペアキーを持っている場合があります。売買では入居時の鍵交換が義務化されていないため、交換しなければこれらの人たちがその気になれば自由に侵入できてしまいます。現に、マンション管理大手のUR都市機構も「前入居者がスペアキーを作っていた場合、鍵交換無しでは防犯面の不安が残る」ため入居時の鍵交換は必要と解説しています。

鍵・錠前をアップグレードする好機

中古住宅の場合、築年数相応に玄関の鍵も古くなっていることが多いです。せっかく新居を手に入れたタイミングですので、最新の防犯性の高い鍵に交換するチャンスと捉えることもできます。例えば2000年以前に多く使われたディスクシリンダー（ギザギザ鍵）しか付いていない場合、ピッキング耐性の強いディンプルキー仕様のシリンダーに替えるだけで防犯性能が格段に向上します。また和風住宅によく見られるサムラッチ錠（親指で押す古風な玄関錠）なども経年劣化しやすく、防犯面で不安が大きいので現代的な錠前への交換を検討するとよいでしょう。

サムラッチ錠の交換に関しては一般的な鍵交換とは異なる事が多いため、「サムラッチ錠の鍵穴を交換したい！DIYで交換する方法や廃番になっている時の対応について」でもご紹介しています。

結論として、中古住宅を購入した場合は可能な限り早めに鍵交換することを強くおすすめします。新居に出入りできる鍵を自分たち家族以外は誰も持っていない状態にすることで、初めて真の安心が得られるからです。費用や手間はかかりますが、安全・安心を買うための必要経費と割り切って、新生活のスタート時に鍵交換を済ませておきましょう。

鍵交換をする場合の方法とポイント – DIYか業者依頼か？

鍵交換を決断したら、その方法として自分で交換する（DIY）か専門の鍵業者に依頼するかの二通りがあります。それぞれのメリット・デメリットや注意点を把握した上で、自分に合った方法を選びましょう。

DIYで鍵交換する場合

ある程度工具の扱いに慣れていれば、自分でシリンダー交換程度なら可能な場合もあります。特に錠前の構造がシンプルで鍵穴（シリンダー）部分だけ交換できるタイプの鍵であれば、比較的スムーズに交換作業が行えます。一般的なケースロック（箱錠）なら、決められた手順で新しいシリンダーを取り付ければ細かな位置調整も不要なため、初心者でも対応しやすいと言われます。ホームセンターで交換用シリンダーを購入し、プラスドライバー1本で取り換えられる製品も市販されています。しかし、全ての鍵が簡単に交換できるわけではありません。

玄関の錠前には様々な種類があり、中には専門知識なしに分解・交換するのが難しいものも存在します。無理にDIYで交換しようとして錠前本体やドアに傷を付けてしまったり、正しく取り付けできず鍵が回らなくなってしまった例もあります。またマンションなどオートロック連動型のシリンダーは対応する純正部品以外使えないケースもあり、個人では入手・交換が困難です。賃貸の場合は前述の通り無断交換NGですので、DIYするなら必ず許可を取った上で行う必要があります。

自分で玄関鍵を交換する具体的な手順や注意点について詳しく知りたい方は、当サイトの『玄関の鍵交換は自分で出来る？注意が必要なデメリット6選』の記事も参考にしてみてください（※内部リンク挿入）。適合する鍵の選び方から作業手順まで図解入りで解説していますので、DIYを検討している方には役立つ情報となるでしょう。

鍵業者に依頼する場合

確実に安全な鍵交換をするなら、やはり信頼できる専門の鍵業者（鍵屋）に依頼するのが安心です。プロの鍵師であれば豊富な知識と経験があるため、住宅の構造や扉の種類に合わせて最適な鍵を選定し、短時間で交換作業を完了してくれます。一般的な玄関シリンダー交換であれば1箇所あたり約20～30分程度で作業完了することが多く、熟練スタッフなら非常に短時間で交換可能です。複雑な構造の錠前や電子錠でも、プロなら正確な手順で取り外し・取り付けを行うため不具合の心配が少なく、交換後の動作確認や調整もしっかり行ってもらえます。防犯のプロならではのアドバイスを受けられるのも大きなメリットでしょう。

業者依頼の場合は費用はかかりますが、その分確実性と時間の節約につながります。鍵の種類によってはメーカー保証付きの正規品を使って交換してくれるため、品質面でも安心感があります。また何か不具合が生じた際のアフターサービスや保証が付く業者も多く、DIYよりリスクが低いと言えます。特に防犯性の高いディンプルキーやカードキー等への交換を検討している場合、自力交換は難易度が高いため初めから専門業者に相談する方が結果的に安全でスムーズです。

業者選びのポイント

鍵交換業者に依頼する際は、できれば相見積もりを取って費用相場を確認しつつ、信頼できる業者を選ぶようにしましょう。当社カギ本舗のように全国対応・24時間受付の実績ある鍵屋であれば、急ぎの依頼にも迅速に対応可能ですし、年間数百件以上の鍵交換を手がけた経験から適切な提案をいたします。業者選定について不安がある方は、当サイト内の『鍵屋を選ぶ時の注意点』に関する記事も参考にしてください。

まとめ：安全な新生活のために鍵交換を積極的に検討しましょう

引っ越し先で鍵交換を「必要かどうか」迷う気持ちはもっともですが、ここまで述べてきたように防犯上は交換しておくに越したことはありません。鍵交換をしない選択には一時的な費用節約などのメリットもありますが、それによって万が一犯罪被害に遭った場合の損失や精神的不安を考えると、交換しないデメリットの方が大きいと言えます。実際、賃貸でも持ち家でも新居に入る際には多くの方が念のため鍵を新調しています。大切な住まいで安心して暮らすために、ぜひ前向きに鍵交換をご検討ください。

鍵交換をする・しないの判断に迷ったら、一度プロの鍵業者に相談してみるのも手です。専門家に相談すれば、物件の状況に応じた的確なアドバイスをもらえますし、見積もりを取って費用感を把握することで判断材料が増えます。防犯のプロの意見を聞くことで、自分では気付かなかったリスクや最適な対策法が見つかるかもしれません。

新居の鍵交換について相談・依頼を検討されている方へ

当社「カギ本舗」では、鍵交換の電話相談・お問い合わせを24時間365日いつでも無料で受け付けております。「やっぱり鍵を替えたいけど何を選べばいい？」「なるべく安く交換したいが可能？」といった疑問にも経験豊富なスタッフが丁寧にお答えします。出張での鍵交換サービスも日本全国対応しておりますので、少しでも不安がある方はお気軽にお電話ください。

今お手元の鍵を新しく交換し、安心安全な新生活をスタートしましょう！

(この記事内で紹介したリンク先もぜひ参考にしていただき、新居の防犯対策にお役立てください。)

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藤原　正徳

カギ本舗で作業員、兼作業員の教育を担当をしている藤原です。 鍵業界で7年間(2025年時点)活動をしており、皆さんの鍵のトラブルをいち早く、安心して解決できるよう取り組んでいます。日本ロックセキュリティ協同組合が検定をしている錠施工技師の3級認定技術資格者。

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