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高齢者の徘徊防止方法!鍵のプロが考える安全な対策方法

投稿日 2023.07.23
更新日 2023.09.06
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【目次】

    徘徊とは、認知症の「周辺症状」という症状の一つで、自宅から外に出てしまい、あても無くうろうろ出歩いてしまう行動のことを指します。周囲から見ると目的も無く出歩こうとしているように見えますが、本人には目的意識があって出歩いていることも多く、徘徊を止めるのは非常に困難です。特に深夜に徘徊するケースが多く、高齢者が徘徊することによって、様々なリスクがあります。

    ・行方不明になってしまう

    ・交通事故に遭ってしまう

    ・水場で溺れてしまう

    ・夏場に熱中症で倒れてしまう

    ・冬場に低体温症になってしまう

    警察省の発表では令和4年の行方不明者数は日本国内で84,910人ですが、その中でも認知症による行方不明者数は18,709人にのぼります。

    令和4年における行方不明者の内訳に関する資料

    参考:警察庁 – 令和4年における行方不明者の状況

     

    2013年に厚生労働省が行ったアンケート調査で、行方不明になった方が当日中に死亡するケースが全体の4割となっており、5日目になると殆ど生存者がいないことが分かりました。このことから、そもそも高齢者の徘徊をさせない、徘徊してもすぐに発見できる環境づくりが重要になってきます。

    参考:日本老年医学会雑誌第53巻第4号 – 認知症の徘徊による行方不明死亡者の死亡パターンに関する研究

    今回の記事では、高齢者の徘徊をさせないために、住宅に関わる鍵の視点から対策方法をご紹介いたします。鍵は外からの防犯のためだけでなく、中からのアクセスも制限することが出来るため、高齢者の徘徊対策として非常に重要になってきます。この記事を読んでいただければ、どんな対策ができるのかよりイメージが付きやすくなり、介護者自身の生活にも安心感を出すことができると思います。もし記事を読んでも分からない、どのぐらい費用がかかるのか、話を聞きたいなど気になる事があればカギ本舗にご相談ください。

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    カギ本舗の鍵交換、鍵取り付けサービスについては以下をご確認ください。

     

    認知症の高齢者が徘徊をする理由

    人間の認知には「記銘」「保持」「想起」というプロセスがありますが、認知症になってしまうと「記銘」が出来なくなってしまうため、新しい事は覚えることが出来ず古い記憶は持っている状態となります。この認知症が原因となって高齢者が徘徊をしてしまうのですが、より深堀りをしていくと徘徊はする理由は様々です。ここでは認知症になった高齢者がなぜ徘徊をしてしまうのか、いくつか例をご紹介します。

    身体的要因による徘徊

    喉が渇いた、尿意を感じたとなると普通の人でもそれを解決するために行動をすると思いますが、認知症患者の場合は行動を起こしている最中になぜ行動をしているのか忘れてしまう場合があります。この場合、身体的違和感を感じているので、そわそわとしたり何かしようとしますが、何をすればいいのか分からず徘徊に繋がる場合があります。こういった場合は身体的違和感を解消してあげれば落ち着いてくれることが多いので、徘徊を防止できることが多いです。深夜などの場合は特に徘徊が起こり易く、深夜の尿意などがきっかけて深夜徘徊につながるため、寝る前に尿意便意の解消をしておくのもいいです。

    心理的要因による徘徊

    認知症を持っている方は、様々なストレスにさらされています。知人の顔が認識できなかったり、自分がどこにいるのか分からなくなったり、今まで出来ていたことができなくなっていたりと理由は人によって異なりますが、このストレスに対して何かしなければいけない等の焦燥感や不安を抱えた時に、何とかしようと行動を始めてしまい、徘徊を始めてしまうことがあります。

    環境的要因による徘徊

    家族や知り合いの顔が判別できず、不安に駆られて外に飛び出してしまって徘徊に繋がることがあります。また、認知症患者が自宅を自宅と認識できず、家に帰りますといって徘徊を始めてしまうケースもあります。認知症の方は環境の変化に敏感なため、今までとあまり大きく変わらない馴染みのある関係や環境を用意してあげることが対策になります。

     

    高齢者の徘徊対策をするべき場所

    玄関から徘徊

    高齢者による徘徊で一番多いのが、玄関から徘徊をするケースになります。認知症を持っている場合、過去の習慣から外出しようとしたり、ストレスで外出しようとすることがあります。認知症を持っていなかった時は殆どの場合玄関から自宅の出入りをしているので、徘徊をする際もまずは玄関に向かう可能性が高いです。そのため、徘徊対策では玄関の対策は必須になります。代表的な例としては、室内側からも鍵を使って開け閉めするための鍵穴を取り付けたり、サムターンと呼ばれる施錠解錠を徘徊防止用のものに交換することが多いです。

    勝手口

    普段からゴミ出しなどで勝手口から出入りをしている場合、以前の習慣のままゴミ出しに行こうとして、外出してからゴミ出しのことを忘れてしまって勝手口から深夜などに徘徊を始めてしまうことがあります。勝手口の徘徊防止対策は玄関の防止策と同じで構いませんが、利用する回数が少ないため、鍵穴を取り付けることで対策することが多いです。

    認知症患者は様々な理由で徘徊を始めてしまいますが、玄関や勝手口が使えないと窓からも徘徊を始めてしまいます。窓の鍵にはいくつか種類がありますが、クレセント錠が付いていることが多いです。そのため、クレセント錠を鍵付きの物に交換して、室内からも鍵を持っていないと開けられないようにしたり、センサーを設置して認知症の方が外に出てしまったことを検知できるようにする必要があります。

     

    自分でできる徘徊防止策について

    室内側に鍵を使って開け閉めする鍵穴を設置する

    徘徊対策としては基本的な内容になるのですが、ドアやサッシに室内側に向けて鍵穴を取り付けることで、勝手に外出できないようにすることが可能です。また、ドアを加工して鍵穴を設置する方法以外にも、サムターンと呼ばれる室内側から施錠解錠をするためのツマミを鍵穴に変更することで、ドアに傷をつけずに徘徊防止用の鍵穴を取り付けることができます。こういった施工を鍵屋では「両面シリンダーにする」と表現することが多いです。

    徘徊防止用の錠前を取り付ける

    鍵を両面シリンダーにする方法ですと、ドアを施錠解錠をする際に鍵を使って開け閉めすることになり、少し面倒です。こういった場合は徘徊防止用の錠前を取り付けることで施錠解錠の手間を減らせます。

    徘徊防止用の錠前として挙げられるのが、サムターン脱着式の錠前や、サムターンの空転モードが付いた錠前になります。

    サムターン脱着式の錠前

    脱着式サムターンの画像

    サムターン脱着式の錠前は、外出時などにサムターンを簡単に取り外すことができる製品です。本来はサムターン回しという手法で侵入窃盗されるのを防ぐ製品ですが、サムターンが無いと室内にいる人は鍵を開ける事ができないため、高齢者の徘徊防止対策に使うことができます。

    サムターン回しとは

    既存の錠前をサムターン脱着式の錠前に交換できない場合は、ドアを加工して新規に徘徊対策用の錠前を取り付けることも可能です。

    空転モードが付いた錠前

    空転モードが付いたサムターンの画像

    空転モードが搭載された錠前は、サムターンを回した時に空転するかを切り替えできる製品になります。空転モードに切り替える方法はいくつかありますが、鍵を使って空転モードを切り替える製品にすれば徘徊対策として使用することができます。空転モードに切り替えておけばサムターンを回しても鍵を開ける事ができなくなり、徘徊を予防できます。現在自宅についている錠前の種類によっては、サムターンのみを空転モード付きの製品に交換できます。

    サムターンカバーを取り付ける

    徘徊防止用の鍵を取り付けられなかったり、一時的に鍵の開け閉めを制限したいだけの場合は徘徊防止用のサムターンカバーを取り付けるのも有効です。サムターンカバーは防犯のためのグッズですが、両面テープなどで気軽に取り付けることが出来る製品です。室外側から鍵を開け閉めするつまみ(サムターン)の利用を制限する製品になるため、徘徊対策にもなります。暗証番号を揃えないとサムターンが操作できなくなるような製品もあるため、手軽に玄関の徘徊対策をしたいという方は検討してみましょう。

    GPSで追跡できるようにする

    認知症のかたが徘徊を始めてしまった場合、早急に発見して保護する必要があります。そんな時には、GPS機能のついた追跡装置を使うことで早期に発見できる可能性があります。鍵の分野でいうとキーファインダーという製品があり、鍵を落としてしまった場合に鍵の場所を追跡できる製品があります。キーファインダーにはbluetooth方式の物と、GPS方式の物がありますが、Bluetooth方式の製品だと動作範囲が周囲数メートルしかないので、広範囲をカバーできるGPS方式の製品を使うといいです。

    センサーを設置する

    人感センサー

    認知症の方が深夜などに徘徊してしまった場合、すぐに気づけば引き止めたり、一緒に外出するよう切り替えることができます。認知症のかたが外出する時にすぐ気づけるようにするために、玄関、勝手口、窓に人感センサーやドアセンサーを取り付けておくことで、眠っていたり少し離れた場所にいても外出に気づけるようになります。

    徘徊対策にオススメの製品

    KABAセーフティサムターン

    KABAセーフティサムターンの画像

    KABAのセーフティサムターンは、鍵を使って空転モードの切り替えが可能です。普段使いする際は空転モードをオフにしておき、高齢者の留守番時や夜間で徘徊を自力で防げない際は空転モードに切り替えることで徘徊を防止できます。また、MIWAやGOALといった国内の主要鍵メーカー向けに製品を発売しているため、現在自宅についているサムターンをそのままKABAセーフティサムターンに交換できることが多いです。

    KAKEN 安心錠

    KAKEN安心錠

    KAKEN 安心錠はドアに新規に取り付けるタイプの錠前です。サムターン部分を取り外すことができ、深夜などに徘徊をしようとしてもサムターンが外されているためドアを開けられないようにできます。既存の錠前にKABAセーフティサムターンなどが取り付けられない場合は安心錠を利用することが多いです。

     

    鍵付きクレセント錠

    鍵付きクレセント錠の画像

    鍵付きクレセント錠は様々なメーカーから発売されている錠前です。鍵を使って窓の施錠、解錠を制御できるため、認知症患者の徘徊を防ぐことができます。クレセント錠にも適合する寸法が決まっているため、自宅のクレセント錠に適合する鍵付きクレセント錠を購入する必要があります。

     

    徘徊対策に関わる費用相場

    上記でご説明した徘徊対策の費用についてご紹介します。鍵の交換や新規取付に関しては、ドアに適合する部材によって部品代が変わるため、標準的な部品の相場感をご紹介します。

    作業内容 費用感
    両面シリンダーへの変更 15,000円~25,000円
    室内側に鍵穴の新規取付 30,000円~55,000円
    窓の鍵交換 15,000円~25,000円
    徘徊防止用のサムターン交換 20,000円~35,000円
    徘徊防止用の錠前交換 40,000円~70,000円
    人感センサーの取付け 20,000円~40,000円

    ※依頼する鍵屋によってはセンサーの取付けや、窓の鍵は対応していないと断られる可能性があります。そういった場合はサッシ屋や、センサー類を販売している業者に依頼するようにしましょう。

    鍵の取付けや交換で介護保険で費用負担を減らせる場合がある

    徘徊防止の鍵を取り付ける際に、介護における住宅の改修範囲と認められれば介護保険が適用できる場合があります。もし適用ができた場合、上限20万円までの工事に対して、費用の9割を負担してもらえることになります。例えば、20万円の工事が必要な場合は18万円分を介護保険で負担してもらえます。介護保険が適用できるかは工事内容によっても変わってきます。介護保険の申請はケアマネージャーを通じて申請しないといけないため、工事を決断する前にケアマネージャーに相談をしましょう。

    また、介護保険が適用できる場合でも、工事費は一時的に自分で立て替える必要があり、保険適用分の費用は後日支給されるので注意が必要です。

    参考:厚生労働省 – 介護保険における住宅改修

    鍵以外で徘徊を防止する方法

    GPSをつける

    いわゆるスマートタグはわかりやすく、キーホルダーにもなり管理しやすいと思います。他にも靴自体にGPS機能がついているモデルや、お好みのシューズに中敷きとして利用できるGPSスマートソールたるアイテムも存在します。

    GPS機能はスマホアプリ等と連動し、位置情報を地図に表示してくれるサービスも存在するため、簡単に導入しやすい対処方法の一つになります。

    ただ注意が必要なのが、GPSはあくまで携帯せねばなんの効果も得られない箇所です。キーホルダーや靴自体も忘れてしまうことが想定できるため、何らかの「工夫」が必要となります。

    例えば、普段好んで着用している洋服やエプロン、スリッパへの縫い付けを行ったり等、万が一何もかも忘れている状態でもGPS自体が有効に機能する対策を行い、心強い安心感へ繋げてみてはいかがでしょうか。

    警備会社の見守りサービスを利用する

    ALSOKやSECOMを代表する警備会社は、高齢者を対象とした見守りサービスも提供していることが多いです。

    前述したスマートタグを扱っている警備会社も多く、日中は働いているため、何かあっても駆け付けることができないご家族には大変有益なサービスとなります。監視対象のご家族が徘徊を始めてしまった場合は、通知を受けた警備会社職員が代わりに駆け付けてくれます。

    ALSOK/みまもりサポートの場合

    高齢者宅に緊急通報装置(コントローラー)を設置し、高齢者がボタン操作することで緊急連絡やALSOKヘルスケアセンターに相談できるサービスです。費用の概算は以下になります。

    初期費用 月額費用 機械代
    お買い上げプラン 13,200円(工事費)

    機械代
    1,870円 52,800円
    レンタルプラン 13,200円(工事費) 2,750円
    ゼロスタートプラン 0円 2,970円

    ペンダント型非常押しボタン・火災監視・みまもり情報提供サービス・ライフリズム監視サービス利用の場合、別料金がかかります。

    SECOM(セコム)/高齢者むけ見守りサービスの場合

    SECOMの見守りサービスは、「親の見守りプラン」という名称で提供されており、以下二つのプランがあります。

    • ペンダント型の緊急通報装置が提供される「救急通報サービス」
    • 生活動線にセンサーを設置する「安否みまもりサービス」

    費用の概算は以下になります。

    初期費用 月額費用 保証金
    レンタルプラン 48,400円 4,840円 20,000円
    買い取りプラン 211,640円 3,300円

    警備員を駆けつけ要請した場合、30分ごとに5,500円(税込)かかります。

    オプション「いつでもみまもりアプリ」から警備員を駆けつけ要請した場合、1時間ごとに11,000円(税込)がかかります。

    人感センサーをつける

    予め玄関や勝手口に人感センサーを設置しておき、ドアが開いてしまった場合にお知らせを通知しておけば、ご家族が不要な外出を行おうとした際に、しっかり居合わせることができます。
    市販の人感センサーでも、センサーの音や光、フラッシュ等に驚き徘徊を未然に防げた事例もあるようです。

    また、前述した警備会社と契約をしているご家庭であれば、温度変化や湿度変化、行動変化に基づく人感センサーによって通知をしてくれる機材やサービスもございます。

    費用は、機器のレンタル・購入・一括払い・月賦払いなどによって異なりますが、おおむね月額2,000円~4,000円になることが多いようです。

    見当識障害/記憶障害それぞれの特徴

    高齢者の徘徊の原因は、見当識障害と記憶障害の大きく2つに分けられます。

    POINT1見当識障害は現在、記憶障害は過去に関連している
    POINT2見当識障害は自分が今どこにいるのかわからなくなったために起こり、記憶障害は自分が誰なのか、どこに住んでいるのか、家族が誰なのか、などを忘れてしまったために起こることがある

    見当識障害とは

    時間や場所、自分の置かれている状況を把握する能力が低下する状態です。そのため、高齢者は自分がどこにいるのか、今何をしているのか、帰り道がどうやって戻るのか、などがわからなくなり徘徊してしまうことがあります。

    「見当識障害による徘徊」

    見当識障害による徘徊は、特に夜間に多い傾向があります。これは、夜は暗いため、周囲の状況を把握しづらく、見当識障害がさらに悪化するからです。また、夜は静かなので、外出しても気づかれにくいということもあります。

    「見当識障害の徘徊を防止する」

    見当識障害の徘徊を防止するには、以下の対策が有効です。

    • 機材を活用し夜間の外出を制限する
    • 見当識障害の症状を緩和する薬を服用させる
    • 見守りセンサーやGPSを活用する

     

    記憶障害とは

    過去の出来事や情報を記憶する能力が低下する状態です。そのため、高齢者は自分がどこにいるのか、今何をしているのか、帰り道がどうやって戻るのか、などがわからなくなり、徘徊してしまうことがあります。

    見当識障害と記憶障害の違いは、見当識障害は現在、記憶障害は過去の出来事や情報を記憶する能力に関連している点です。そのため、見当識障害による徘徊は、自分が今どこにいるのかわからなくなったために起こるのに対し、記憶障害による徘徊は、自分が誰なのか、どこに住んでいるのか、家族が誰なのか、などを忘れてしまったために起こることがあります。

    「記憶障害による徘徊」

    記憶障害による徘徊は、見当識障害による徘徊と同様、夜間に多い傾向があります。また、記憶障害によって、高齢者は自分が誰なのか、どこに住んでいるのか、家族が誰なのか、などを忘れてしまうことがあります。そのため、自宅に戻ろうと思っても、道に迷ったり、家族を探したりして、徘徊が長引くこともあります。

    「記憶障害の徘徊を防止する」

    記憶障害の徘徊を防止するには、以下の対策が有効です。

    記憶障害の徘徊を防止するには、以下の対策が有効です。

    • 家族や周囲の人が、高齢者の行動をよく観察し、徘徊の兆候がないか確認する
    • 高齢者に日時や場所、家族の名前などを書いたメモを渡しておく、もしくは潜ませておく
    • 見守りセンサーやGPSを活用する

    以上のように、まずはそれぞれの①障害の理解を行い、②適材適所で③必要なサービスとアイテムを使い分けることが大切になります。

    徘徊防止策をするにあたっての注意点

    監禁にならないように注意する

    本人の同意がない状態で認知症のかたを部屋に閉じ込めてしまうと、監禁や虐待と判断されてしまう恐れがあります。また、本人としては自由に生活することを望むかたも多いため、夜間や外出時などの面倒が見きれない時だけ部屋に入ってもらうなど、本人の意思を尊重しながら自分達がどこまで面倒を見切れるのか一緒に考えることが重要です。過去に介護業者が監禁・虐待で業務停止処分を受けたこともあるため、十分注意する必要があります。また、どうしても自分達で判断に迷う場合は、社会福祉協議会や地域包括支援センターなどに相談しながら、どんな形で折り合いをつけるべきか相談してみるといいでしょう。

    家族全員で協力体制を作る

    認知症のかたの介護をする場合は、家族全体で協力していくことが大事です。非介護者が担っていた家事などを介護者が行いつつ、介護をしていくことになるので自分一人で対応するといずれ限界が来てしまうことが多いです。介護は介護士やケアマネージャが職業として行っている立派な仕事なので、一人で介護をするのはそもそも無理があるのです。そのため、ご家族と協力して、家族全体で支えていくことが非常に重要になってきます。協力の形は家族ごとに異なると思いますが、実際に介護を手伝ってもらう、金銭面での一部負担をしてもらう、たまに来てもらい介護を数時間でも手伝ってもらうなど、それぞれの生活環境に応じて協力体制を作っていくことになります。どんな形にせよ、まずは話し合いをしないといずれ限界が来てしまうため、家族全員で相談をする場を設けましょう。

    自身が介護疲れにならないようにする

    先述した内容と似たような内容になりますが、介護疲れになってしまうと介護者にとっても非介護者にとっても悪い結果になります。介護の全てを自分自身で行うのではなく、時には外部サービスなどを使ってリフレッシュを行い、介護疲れにならないようにしましょう。最近では「レスパイトケア」という考えが広まってきています。レスポパイトとは「息抜き」「小休止」という意味の言葉で、レスパイトケアとは住み慣れた環境で自分らしく生きていくことを目的とした行動のことを指します。例えば、夜間に介護で起こされずぐっすり眠れるように外部サービスを利用したり、一時でも介護を忘れて外出したりと適宜サービスを利用していくことで無理なく介護に取り組んでいきましょう。

    まとめ

    認知症の方が徘徊をしないようにする方法を鍵屋の目線からご紹介しました。徘徊対策には様々な方法がありますが、どんな方法で対策をしていくのか家族間で相談しながら進めていくべきです。家族全員で介護について考える機会を設けないと、今後全ての介護を自分で対応し続ける必要が出てしまい、いずれ限界が訪れます。

    もし、どんな方法で対策を取ればいいのか分からない、いくら費用がかかるのか知りたいという場合はカギ本舗にご相談ください。お客様の要望をきちんと聞きながら、お客様の要望に最も適した提案をいたします。かかる費用も他社と違ってお電話の段階でご提示可能です。

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    藤原

    カギ本舗で作業員、兼作業員の教育を担当をしている藤原です。 皆さんの鍵のトラブルをいち早く、安心して解決できるよう取り組んでいます。日本ロックセキュリティ協同組合が検定をしている錠施工技師の3級認定技術資格者。

    よくあるご質問

    Q徘徊防止対策として、カギ本舗のオススメを教えてください。
    ご家庭によってオススメ方法は変わりますが、玄関や勝手口に徘徊防止用の脱着式サムターンや空転モードの付いたサムターンを取り付けるのがオススメです。また、窓のクレセント錠を鍵を使って開け閉めをする製品にすることで、意図しない外出を制限することができます。ただし、無理やり認知症のかたを閉じ込めてしまうと監禁などに該当してしまう可能性があるため、本人、ご家族、社会福祉協議会、地域包括支援センターに相談しながらどう対策するか決めるといいです。
    Q認知症の家族が鍵をかけ忘れてしまうのですが、対策方法はありますか?
    ドアに「鍵のかけ忘れ注意」などの張り紙をしていくと上手くいくことが多いです。自動施錠の鍵などご案内できますが、認知症のかたが使うと家から締め出されてしまい、そこから徘徊に繋がるケースもあるためオススメしません。
    Q鍵の取付けを依頼したいのですが、工事が終わるまでどのぐらいかかりますか?
    基本的にご依頼いただいた当日中に施工が終わります。取り付ける鍵の種類によっても変わりますが、作業時間は1時間前後で終わることが多いです。

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