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ドアクローザー交換ガイド|油漏れ・異音トラブルへの対処法と注意点

投稿日 2023.08.26
更新日 2025.05.15
ドアクローザー交換ガイド_アイキャッチ画像
【目次】

    突然ドアが「バタン!」と大きな音を立てて閉まる、ドアクローザーから油が垂れている──こんな症状にお困りではありませんか?ドアの動きを制御する「ドアクローザー」が故障すると、ドアが急激に閉まったり、勝手に開いてしまったりと危険です。

    本記事では、ドアクローザーの交換方法を中心に、故障時の対処法や業者への依頼方法、費用の相場まで徹底解説します。緊急の場合の応急処置や、プロに頼むべきケースについても触れていますので、現在お困りの方はぜひ参考にしてください。

    【ポイントまとめ】 (忙しい方向けに本記事の要点をまとめました。)

    • ドアクローザーから油漏れしている場合や異音がする場合は、基本的に新品交換が必要です(内部故障は修理ができません)。
    • DIY交換は可能ですが、手順にコツがあります。本記事で画像付きで解説しています。
    • 業者に依頼する場合は、鍵屋・ホームセンター・サッシ業者など選択肢があります。費用相場は総額2.5万~4万円程度が目安です(詳細は後述)。

    放置するとドアの事故に繋がる恐れがあります。異変に気付いたら早めの対処を心がけましょう。

    もし自分でドアクローザーを交換するのが面倒だったり、交換できるか不安という方はカギ本舗にご相談ください。カギ本舗ではドアクローザーの取り換え実績が多数あるため、安心して依頼をしていただくことができます。ドアクローザーでお困りの方はカギ本舗にぜひご相談ください。

    ドアクローザー記事用CTA

    ドアクローザーとは?役割と故障時の影響

    ドアクローザーとは、玄関ドアや室内ドアの上部に取り付けられているアーム付きの装置です。ドアを開けた後、ゆっくりと自動で閉めるための油圧式の装置で、昔ながらの言い方では「ドアチェック」や「ドアダンパー」と呼ばれることもあります。

    ドアクローザーの写真

    ドアクローザーの主な役割は以下の通りです。

    • ドアを自動で静かに閉める(手を離してもバタンとならないようにする)
    • ドアが閉まる速度を調整する(途中までは早く、最後はゆっくり等の調節)
    • 製品によってはドアを開けた状態で保持する「ストップ(常開)機能」が付いている場合もある

    この装置が正常に機能しているおかげで、ドアは安全かつ静かに閉まります。しかし、経年劣化などで故障すると様々な不具合が発生します。例えばドアが「バターンッ!」と勢いよく閉まってしまう、風圧でドアが勝手に開いてしまう、途中で止まらず閉まり切らない等。小さなお子様やペットがいるご家庭では、突然ドアが強く閉まると挟まれ事故の危険もあり非常に危険です。そのため、ドアクローザーの故障かな?と思ったら早急に修理または交換を検討する必要があります。

    豆知識: ドアクローザーが付いていないドア(特に古い住宅の室内扉など)は、開け放していると風でバタンと閉まることがあります。逆にドアクローザーが壊れて油圧が効かなくなると、同じように危険な状況になります。

    どんな時にドアクローザーを交換すべき?【故障の4症状】

    ドアクローザーの故障にはいくつかパターンがありますが、次の4つの症状がある場合は交換が必要です(調整で改善しないケース)。それぞれ詳しく解説しますので、ご自身のドアの状態と照らし合わせてみてください。

    1. ドアクローザーから油漏れしている

    ドアクローザー内部には油(オイル)が封入されており、油圧でドアの動きを制御しています。【油が滲み出たり垂れていたら交換が必須】と考えてください。油漏れは経年劣化でシリンダー内部のシールが劣化した際に発生し、一度オイルが漏れ出すと油圧が抜けて機能しなくなるため、残念ながら修理でオイルを補充することはできません。油漏れ=ドアクローザー本体の寿命と捉え、新しいものへの交換を行いましょう。

    ※油漏れに気付いた際は、床へのシミ防止のため漏れた油を拭き取り、可能であれば調整ネジを少し締めてドアの閉まる速度を遅くする応急処置をしてください。ただしこれは一時的な凌ぎであり、完全に直すことはできません。早めに新品交換することをおすすめします。

    2. ドアが大きな音を立ててバタンと閉まる

    ドアを手で静かに閉めたつもりなのに、最後の数センチで「バタン!」と勢いよく閉まってしまう場合も故障のサインです。まず、ドアクローザーに付いている速度調整ネジで閉まる速度を遅くする調節を試みてください。しかし、それでも改善しない場合は内部の油圧機構が損傷している可能性があります。このようなケースではドアクローザー内部の故障であり、やはり修理はできず交換が必要です。実際、「音がうるさいな」と感じてクローザー本体を確認したら油漏れにも気付いた…というケースもよくあります。

    3. ドアが勝手に開いてしまう

    普通、ドアには勝手に開かないよう「ラッチ」と呼ばれる仕組み(ドア枠に引っかかる金具)が付いています。しかし、古い住宅や公営住宅などではラッチの無い錠前も存在します。その場合、ドアクローザーだけが頼りなのですが、このドアクローザーが故障していると風圧や気圧差でドアがふいに押し開いてしまうことがあります。特に玄関ドアでこの状態になると防犯上も危険です。もしドアが勝手に開いてしまう場合は、必ず施錠する習慣を付け、早急にドアクローザーを交換しましょう。

    4. ドアクローザーの耐用年数を過ぎている

    ドアクローザーにも寿命があります。一般に耐用年数は約10~20年と言われます。開閉頻度によって前後しますが、10年以上使っている場合は劣化が進んでいるため、故障する前に交換しておくと安心です。また、使い方によっても寿命は左右されます。例えばドアが閉まる途中で無理に押さえたり、逆に勢いよく開け閉めすると、その分ドアクローザーに負荷がかかり寿命が縮まります。「もう15年以上経つかな」という場合は、壊れていなくても交換を検討すると良いでしょう。新品に替えれば、再び快適かつ安全にドアの開閉ができるようになります。

    補足: 室内ドアなどで長年使っていないドアクローザーが付いている場合、一見問題なくても内部のオイルが劣化・蒸発しているケースがあります。耐用年数を超えた古いものは突然油漏れすることもありますので注意してください。

    ドアクローザーは修理できる?それとも交換しかない?

    「故障したドアクローザーを修理で直せないか?」と考える方もいるでしょう。この点について結論を述べると、ドアクローザーの内部故障は修理ができず交換するしかありません。メーカーも基本的にユニット交換を前提としており、オイル漏れや内部パーツ破損に対する修理部品の提供は行っていません。

    ユーザーができる対処は、せいぜい速度調整ネジを回して動作を調節する程度です。ドアクローザー本体から油が漏れていたり、ネジ調整でも改善しない場合は新品への取り替え以外に根本解決策はない、と覚えておきましょう。

    豆知識: 過去には一部製品でシールキットを交換してオーバーホールする例もありましたが、現在主流のドアクローザーは量産品であり故障時は交換対応となります。無理に分解すると危険なばかりか、結局交換部品が入手できず元に戻せなくなることもあります。

    ドアクローザーの種類を知ろう(交換用の選び方)

    ひと口にドアクローザーと言っても、いくつか取り付け方式の種類があります。交換する際は、今付いているものと同じタイプを選ぶ必要があります。ここでは代表的な3種類を紹介します。

    パラレル型

    パラレル型ドアクローザーの写真

    ドアの反対側(背面側)に本体を取り付けるタイプ。日本の住宅玄関の多くは外開きでドアが外側に開くため、室内側にこのパラレル型クローザーが付いているケースが一般的です。ドアが閉まっているとき、アームがドアと平行に折りたたまれている見た目が特徴です。

    スタンダード型

    スタンダード型ドアクローザーの画像

    ドアの開く側(表側)に本体を取り付けるタイプです。ドアが閉まっているとき、アームがドアと直角に飛び出しているのが見た目の特徴です。室内開きのドアではこちらが多く使われます。ただし、アームが外側に張り出すため、取り付け場所に十分なスペースが必要です。

    コンシールド型

    コンシールド型ドアクローザーの画像

    本体が扉や枠の中に埋め込まれているタイプです。閉じた状態で外観からドアクローザーが見えず、見た目がすっきりします。主に高級住宅や店舗のドアに使われます。交換するには扉の内部構造に対応した製品を選ぶ必要があり、汎用品では代替できない場合があるため注意が必要です。

    上記のどのタイプかは、ドアを開けて本体の取り付け位置を見れば判別できます。「外開きドアで室内側に本体が付いていればパラレル型」など、現状と照らし合わせて判断しましょう。

    フロアヒンジ

    フロアヒンジの写真

    床に埋め込まれた「フロアヒンジ」というタイプもあります。全面ガラス扉などでドアクローザーを取り付けるスペースが無い場合に使われる方式で、地面(床)に機構が埋まっています。フロアヒンジはコンクリートを壊して交換する大掛かりな作業になるため、専門業者による対応が必要です(カギ本舗では一部地域で対応しています)。

    交換用ドアクローザー選定のポイント

    現在付いているタイプが分かったら、次は交換用製品を選びましょう。選定時のチェックポイントは以下のとおりです。

    • 取り付けタイプの一致: 上記で確認したパラレル型・スタンダード型・コンシールド型の中で同じ種類を選びます。異なるタイプは取り付けができないので注意してください。
    • ドアのサイズ・重量への対応: 製品ごとに「適合ドア質量○kgまで」「○○サイズのドア用」など規格があります。玄関の大きなドアや鉄扉には業務用のパワーが必要な場合も。購入時に必ずスペックを確認し、ご自宅のドアに合ったものを選びましょう。
    • 欲しい機能の有無: 一般的なクローザーは閉まる速度を調整する基本機能のみですが、製品によっては「バックチェック機能(急激な開きを抑制)」や「遅延閉鎖(高齢者や荷物運搬用にゆっくり閉まる)機能」などが付いています。住宅用では必須ではありませんが、必要に応じて機能付きのものを選ぶと良いでしょう。ただし、ストップ(常時開放)機能に関しては共同住宅や商業施設では消防法上問題になるケースもあるため注意が必要です。
    • ネジ穴の位置: 交換時は基本的に既存のネジ穴を再利用します。メーカーや型番が同じであれば問題ありませんが、違うメーカー品に替える場合はネジ穴位置が合わないことがあります。DIYで不安な場合、万能取替え用ドアクローザー(さまざまなネジ穴位置に対応できる汎用プレート付き製品)が安心です。万能型なら多少穴位置が違っても調整可能ですが、パラレル/スタンダード等の種類だけは間違えないようにしましょう。

    以上を踏まえ、適切な交換用ドアクローザーを選定してください。家庭用のドアクローザーならホームセンターの店員さんや専門業者に相談すると、適合する型番を教えてもらえる場合もあります。

    自分でできる!ドアクローザー交換方法(DIY手順)

    ここからは、一般的なドアクローザー(パラレル型)を自分で交換する手順を、ステップごとに解説します。作業には脚立(はしご)とプラスドライバーが基本的に必要です。一部製品では六角レンチも使います。

    ※安全のため、作業中はドアが勝手に動かないよう完全に開けきった状態で固定してください。 ドアストッパーなどで動かないようにし、可能であれば2人以上で作業すると安心です。

    作業の全体像は「取り外し → 新品取り付け → 動作調整」の3ステップです。それでは順を追って説明します。部品名称が分かりにくい場合は、以下の画像も参考にしてください。

    ドアクローザの各部名称を説明した画像

    ステップ1:既存のドアクローザー本体を取り外す

    まず、壊れている古いドアクローザーをドアから外していきます。取り外しは大きく4工程あります。

    1-1. アームとリンクの連結を外す

    ドアクローザーは、ドア本体側のアームドア枠側のリンクという2本の腕がネジで連結されています。この連結部分のネジ(ジョイントピン)を外し、アームとリンクを切り離します。ネジを外した後、アームとリンクを上下にずらすように動かすと、スポッと外れるはずです。

    リンクとアームの連結を外す方法の紹介用画像

    1-2. ドア枠側のブラケット(金具)を外す

    次に、ドア枠(上枠)に取り付けられているブラケットを外します。先ほど外したリンク側の部品です。ブラケットは数本のネジで固定されているので、ドライバーでネジを緩めて外します。

    ★注意★:ブラケットの内側には「裏板」と呼ばれるプレートが入っている場合があります。ネジを一度に全部外しきると裏板が中で落ちてズレてしまうことがあるため、ネジは1本ずつ外しては一時的に仮留めする方法を取りましょう。(1本外したら、その穴に外したネジを仮に戻しておく→順番に全ネジを外す)こうすることで、裏板がドア枠内部で落ちるのを防げます。

    ブラケットを外す方法を紹介した画像

    1-3. ドア本体側のドアクローザー本体を外す

    続いて、ドア本体についている長方形のドアクローザー本体を取り外します。本体は通常ドアのヒンジ側(吊元側)に寄せてビス固定されています。固定ネジを全て外すと、本体がグラグラ動くようになるので、ドアに開いているスリット(固定プレート)に沿って横方向にスライドさせましょう。すると本体がドアから外れます。

    ドアクローザー本体を外す手順を紹介した画像

    1-4. 固定用プレートを外す

    本体を外すと、ドアに固定用プレートが残っているはずです(本体を載せていた土台のような金具)。これも数本のネジで留まっているので、すべて取り外してプレートを撤去します。

    ★注意★:固定プレートとは関係ないネジ(近くにあるドア自体の構造用ネジなど)を間違って外さないようにしてください。無関係な部分のネジを外すと、ドア内部の部材が落下してしまう恐れがあります。基本的にはプレートに付属するネジ以外は触らないよう注意しましょう。

    固定プレートを外す手順の画像

    これで古いドアクローザーの撤去は完了です。続いて新しい製品の取り付けに移ります。

    ステップ2:新しいドアクローザーを取り付ける

    新品のドアクローザー本体と付属部品(アームやブラケット類)を、先ほどと逆の手順で取り付けていきます。

    2-1. ドアクローザー本体と固定プレートを取り付ける

    まずは固定プレートをドアにネジ留めし、その上にドアクローザー本体を載せて固定します。新品の梱包を開けた際、本体にアームが付いていない場合は別途同梱のアーム部品を本体に取り付けてください(取り付け方法は製品説明書参照)。

    本体の向きは、製品によって「○○側をヒンジ側に向ける」と指定があります。説明書の指示通りに向きを合わせ、ステップ1-3と逆の要領でスライド挿入→ネジ留めを行います。

    ドアクローザー本体を取り付ける手順を紹介した画像

    2-2. ドア枠側にブラケット(金具)を取り付ける

    次に、ドア枠側にブラケットを取り付けます。ステップ1-2で外した際、裏板対策で残しておいたネジ穴がありますので、そこに新しいブラケットを当てがい、1本ずつネジを締め直して固定します。

    ★ポイント★:取り付け時も外す時と同様、ネジは1本ずつ外して1本ずつ締める流れで行いましょう。裏板がもし残っている場合でも、この方法なら位置ずれ無く固定できます。

    ブラケットを取り付ける手順の紹介画像

    2-3. アームとリンクを連結する

    最後に、ドア本体側のアーム枠側のリンクを再び繋げます。新品の場合アーム長さの調整が必要なことがあります。リンク側に穴があり、そこにアーム先端を差し込んで上下から挟み込むように連結させます。アームを少し引っ張り気味に伸ばしつつ、リンクのジョイント部と合わせるのがコツです。穴が合ったら、最初に外したネジ(ジョイントピン)を締め直して固定します。

    リンクとアームを連結させる手順の説明画像

    これで一通り、新しいドアクローザーの設置作業は完了です。

    ステップ3:動作確認と各部の最終調整

    取り付けたばかりの状態では、ドアクローザーの各種調整が初期設定になっています。ドアの閉まる速度やストップ位置など、必要に応じて調整しましょう。

    「基本的な交換作業だけできれば良い」という方はこのステップ3は飛ばして構いません。ドアがきちんと閉まることだけ確認してください。追加機能の設定や微調整を行う場合は以下の手順を参考にしてください。

    3-1. ドアの閉じる速度を調整する

    ドアクローザー本体側面または前面に付いている速度調整ネジを回して、ドアが閉まる速さを調節します。一般的な製品では、「第1速度(途中まで)」「第2速度(最後の閉まり部分)」の2段階で調整でき、ネジが2つ付いています。ネジを締め込むと遅く(ゆっくり閉まる)、緩めると速く(早く閉まる)なります。

    閉まる速度の目安は、ドアを90度開放した状態から6~8秒かけて閉まる程度が適正と言われます。あまりにも速いと危険ですし、遅すぎても途中で止まってしまう場合があります。調整したら何度か実際にドアを開閉してみて、ちょうど良い速度になるよう微調整しましょう。

    ★注意★:ネジを緩めすぎると再び油漏れの原因になります!ネジは基本的に一周以上ゆるめない範囲で調整してください。特に新品の場合、最初から極端に緩めてしまうと内部圧力が抜けて故障する恐れがあります。

    速度調整の手順を説明する画像

    3-2. (オプション)ストップ機能(常時開放)の設定をする

    ドアクローザーの中には、ドアをある角度で保持するストップ(常開)機能付きのものがあります。必要に応じて設定しましょう(※防火扉用のクローザーにはストップ機能は付いていません)。

    設定方法は、ドアを止めたい位置まで開いてから、ストップ用のネジを締めます。ストップ用ネジは、多くの場合ブラケット(上枠の金具)とリンクの接続部付近にあります。ネジを締め込むことでその位置でカチッと止まるようになります。

    ★注意★:ストップネジの締め付けが弱すぎたり強すぎたりすると、ストッパー機構が壊れて異音の原因になります。「きつく締めすぎない・緩めすぎない」を心がけ、確実に固定されるポイントで止めてください。

    ストッパー機能の設定手順の画像

    ここまでで、新しいドアクローザーの取り付けと調整は全て完了です。ドアがスムーズに動作し、必要な機能が働いているか最終チェックしましょう。

    ドアクローザー交換でよくある失敗例【DIY注意点】

    慣れないDIY作業では、思わぬミスをしてしまうこともあります。ドアクローザー交換の際によくある失敗例を事前に知っておき、トラブルを未然に防ぎましょう。

    • 失敗例① 速度調整ネジを緩めすぎた
      ドアの閉まる速度を調整するネジですが、緩めすぎると内部の油が漏れ出して故障してしまいます。実はドアクローザーの油漏れ原因の一つがこれです。緩めすぎて油圧が抜けると、結局新品を買い直す羽目になります。「ネジは1回転以上ゆるめない」を守りましょう。
    • 失敗例② ドアクローザーの取り付け向きを間違えた
      新品を取り付ける際に、本体やブラケットの向きを誤ってしまうケースです。製品には「取付け方向(ヒンジ側○○)」などの指定が必ずあります。説明書や本体刻印に従い、ヒンジ(蝶番)のある側に適切に向けて取り付けてください。向きが逆だとうまく動作しません。
    • 失敗例③ 古いネジ穴が広がってネジが効かない
      長年使われたドアでは、固定ネジ穴が劣化で緩くなっており、同じ径のネジが締まらないことがあります。無理に締めても空回りしてしまう場合、一回り大きいサイズのネジ穴を開け直してタップ(ネジ山切り)を立てる必要があります。例えばM4サイズがダメならM6に拡張する、といった加工です。専門的な工具と技術が要るため、DIYに自信がない場合は無理をせず途中でも業者に依頼する決断も大切です。

    これらの点に注意しながら作業すれば、DIYでの交換もうまくいくでしょう。逆に「自信がない…」という方は、無理せず次項のような専門業者に交換を依頼する方法を検討してください。

    ドアクローザーの交換、どこに依頼できる?【業者選びガイド】

    「やっぱり自分で交換するのは不安」「道具も無いしケガしそう」という場合、専門の業者に依頼するのが確実です。ドアクローザーの交換に対応している業者としては主に以下の3つが挙げられます。それぞれ特徴と費用感が異なりますので比較してみましょう。

    鍵屋(鍵の専門業者)に依頼する

    多くの鍵屋さん(鍵業者)はドアクローザーの交換・調整にも対応しています。ドアクローザー自体は「鍵」ではありませんが、ドア周りの総合サービスとして扱っているところが多いのです。鍵屋に依頼するメリットは、経験豊富で作業が早いこと、そして24時間受付の緊急対応をしている業者が多いことです(例えば弊社カギ本舗も24時間365日対応です)。

    ただし注意点として、悪質な業者を選んでしまうリスクがあります。近年、出張鍵業者の中には相場の数倍もの料金を請求する「ぼったくり業者」も存在します。安心して依頼するために、電話問い合わせの時点で「ドアクローザー交換の概算費用はいくらぐらい?」と質問し、明確に答えてくれる業者を選びましょう。「現場を見ないと分からない」「○○円~(最低料金だけ)」としか答えないところは、訪問後に高額請求される恐れがありますので要注意です。

    ホームセンターに依頼する

    大手ホームセンターでは、リフォームコーナー等でドアクローザー取付サービスを行っている場合があります。依頼自体は店頭で受付してくれるため安心感がありますが、実際に作業に来るのはホームセンターが提携する地元の鍵屋や工務店です。そのため、実質的な作業品質は鍵屋依頼と同等と考えて良いでしょう。費用面ではホームセンターの手数料が上乗せされることが多く、直接鍵屋に頼むより多少割高になるケースがあります。とはいえ、悪徳業者に当たるリスクは低いため、「どこに頼んだらいいか分からない」場合の窓口としては安心です。

    サッシ屋(窓・建具業者)に依頼する

    窓やサッシ、ドア周りの工事を行う建具屋さん(サッシ業者)も、ドアクローザー交換を受け付けていることがあります。費用は鍵屋に依頼する場合と大きくは変わらないことが多いですが、タイミングによってはドア本体の交換や調整とセットで割引してもらえる可能性があります。例えば玄関ドア自体を新調する工事のついでにドアクローザーも交換する、といった場合です。単発でお願いする場合は、近隣のサッシ店に問い合わせてみると良いでしょう。

    ≪業者選びのポイント≫
    依頼先で費用が1万円以上変わることもあります。緊急でなければ複数に見積もり相談するのも手です。特に電話での事前見積り対応は重要で、きちんと概算を答えてくれるところを選ぶことがトラブル防止になります。

    ドアクローザー交換の費用はいくら?【DIY vs 業者】

    最後に、ドアクローザーを交換する際の費用相場についてまとめます。自分で交換する場合と業者に依頼する場合で大きく異なりますので、それぞれ分けて解説します。

    自分で交換する場合の費用内訳

    DIYで掛かる費用は「部品代」+「道具代」です。

    • 部品代: 購入するドアクローザー本体の価格です。製品の種類や機能によって幅がありますが、おおよそ5,000~25,000円程度に収まるケースが多いです。一般的な住宅用であれば1万円前後の商品が主流です。ただし、コンシールド型(埋め込み型)の場合は適合する純正品が限られるため、この価格帯を超える高額品になることもあります。
    • 道具代: 基本的にはプラスドライバー(+ドライバー)と脚立(または踏み台)があれば作業可能です。場合によって六角レンチ等も使いますが、多くは付属しています。工具を新規購入する場合でも1万円以内に収まるでしょう。既に道具をお持ちなら追加費用ゼロです。

    DIY費用の目安: 部品代5千~2.5万円 + 工具代0~1万円程度(工具揃っていれば部品代のみ)

    業者に依頼する場合の費用内訳

    業者に頼む場合、部品代に加えて出張費作業費が発生します。以下が一般的な内訳と相場です。

    • 出張費: 作業員が自宅まで来るための費用です。業者や距離によって異なりますが、無料~8,000円程度が多くの業者の設定です。電話で問い合わせれば教えてもらえる明確な費用なので、依頼時に確認しましょう(「出張費はいくらかかりますか?」と聞けばOKです)。
    • 作業費(技術料): 作業そのものにかかる費用です。内容によって変動しますが、相場は15,000~23,000円程度になることが多いです。先述のように、特殊加工(ネジ穴の補修等)が必要な場合は上振れしますが、通常は既存品と交換するだけなのでこの範囲に収まります。
    • 部品代: これはDIY時と同じで、本体価格です。業者によっては市販価格より多少高め(仕入れや在庫の都合上)になることもありますが、大きな差はありません。例えば弊社カギ本舗では信頼性の高いRYOBI製の汎用ドアクローザーを使用することが多いです。

    業者依頼費用の目安: 部品代(製品代金) + 出張費0~8千円 + 作業費1.5万~2.3万円
    総額概算 約2.5万~4万円+消費税(一般住宅のケース)となります。

    もちろん業者や地域によって多少上下しますが、大幅に外れる場合は要注意です。特別条件を除き10万円を超えるようなことは通常ありません。

    ドアクローザー主要メーカー豆知識(交換時の参考に)

    ※以下は余裕があればお読みください。交換そのものには直接関係ありませんが、ドアクローザーを製造する代表的メーカーについての情報です。

    ドアクローザーを製造しているメーカーはいくつかあります。交換時に古い製品に書かれた社名や型番を見ると、どのメーカーか分かる場合があります。主要メーカーの特徴を簡単に紹介します。

    • RYOBI(リョービ): 国内大手のメーカーです。電動工具や建築部品で知られ、ドアクローザーも製造しています。汎用型の取替用ドアクローザーを販売しており、古い製品が廃盤になっている場合でもRYOBI製品が代替として取り付けられるケースが多いです。そのため、鍵屋に交換を依頼するとRYOBI製品を取り付けることがよくあります。
    • 日東工器: 工業部品メーカーで、空圧・油圧機器などを手掛けています。ドアクローザーも製造しており、中には蝶番(ヒンジ)にドアクローザー機能を内蔵した特殊な製品などもあります。一般家庭向けというより業務用の特殊用途で知られています。
    • NEWSTAR(日本ドアチェック製造株式会社): 日本で初めてドアクローザーを製造・販売した老舗メーカーです。「ドアチェック」という言葉もこの会社がルーツです。高齢化社会を見据えて引き戸用のドアクローザー(スライドドアダンパー)なども開発しており、業界をリードしています。
    • MIWA(美和ロック): 国内最大手の鍵メーカーですが、かつてドアクローザー事業も行っていました。ただし2021年にMIWAはドアクローザー製造から撤退しており、現在MIWAブランドのドアクローザーは全て廃盤になっています。そのため、古い建物でMIWA製クローザーが付いている場合、交換時にはRYOBI等の他社製品に置き換える形になります。

    ドアクローザーの交換なら「カギ本舗」にお任せください!

    「自分で交換できると分かったけれど、やっぱりプロに頼みたい」「緊急で早く直したいから業者を探している」といった場合は、ぜひ私たちカギ本舗にご相談ください!24時間365日対応の出張サービスで、お客様のご自宅まで迅速に伺います。

    カギ本舗では経験豊富なスタッフが在籍しており、お電話の段階である程度の概算費用をお伝えすることが可能です。現場の状況を詳しくヒアリングし、適合する交換部品や作業内容を把握した上で料金の目安をご案内します。「呼んでから高額請求されたらどうしよう…」という不安なくご依頼いただけます。

    もちろん実際のドアに適合するドアクローザーをこちらで用意し、丁寧に交換作業を行います。カギ本舗でドアクローザー交換を行う場合の費用は、交換する製品の種類にもよりますが、ほとんどが総額で2万5千円~4万円(税別)程度に収まります。事前にしっかりご説明した上で作業いたしますので、安心してお任せください。

    ✓ お問い合わせ例: 「玄関ドアが急に閉まるようになったので見てほしい」「マンションのドアクローザーから油が垂れている」「古いドアなので適合する商品が分からないが交換したい」等、どんなことでも構いません。まずはお気軽にお電話ください!

    ドアクローザー記事用CTA

    まとめ

    ドアクローザーの故障は放置できない厄介なトラブルですが、適切に対処すれば比較的短時間で解決可能です。この記事ではドアクローザーの交換について、DIY手順から業者依頼のポイントまで詳しく紹介してきました。

    重要なポイントをおさらいすると、ドアクローザーから油漏れしていたり調整で直らない不具合が出た場合、基本的には新品交換が必要です。DIYが可能な作業ではありますが、工具の扱いや高所作業に不安がある場合は無理をせずプロに任せる方が確実でしょう。一度取り外してしまうと素人では元に戻せなくなる機種もあります。不安な場合は最初からプロにお願いしてしまった方が結果的に早く安全に交換できます

    お困りの際は、本記事の内容を参考にしつつ、ぜひ信頼できる専門業者(鍵屋など)に相談してみてください。私たちカギ本舗も全国対応しておりますので、お電話一本で駆けつけます。「ドアが壊れて危ない…」と夜中に感じたら、遠慮なくご連絡ください。安全・快適なドアの開閉を取り戻すお手伝いをいたします!

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    藤原 正徳

    カギ本舗で作業員、兼作業員の教育を担当をしている藤原です。 鍵業界で7年間(2025年時点)活動をしており、皆さんの鍵のトラブルをいち早く、安心して解決できるよう取り組んでいます。日本ロックセキュリティ協同組合が検定をしている錠施工技師の3級認定技術資格者。

    よくあるご質問

    Qドアクローザーの交換をお願いしたいのですが、いつ頃対応可能で作業時間はどの程度ですか?
    ドアクローザーの一般的な部材は在庫で持っておりますので、基本的に依頼していただいた当日中に対応することが可能です。作業時間はドアの損傷状態にもよって変わりますが、1時間前後になることが多いです。
    Qカギ本舗でドアクローザーの部品だけを購入することはできますか?
    カギ本舗ではドアクローザーの販売のみの対応はしておりません。交換作業とセットでの対応ならしておりますので、お気軽にご相談ください。
    Qドアクローザー交換後の保証などはありますか?
    弊社でドアクローザーを取付けたお客様に対しては、1年以内の不具合については無償で対応させていただきます。1年を経過した後でも不具合の内容によっては対応できるので、ぜひご相談ください。
    Q自宅のドアに合わないタイプのドアクローザーを購入してしまったのですが、カギ本舗に依頼すれば購入してしまった部材を取り付けできますか?
    ドアに合っていないタイプの物だと弊社でも交換できない事が多いですが、「合わない」というのがどういった意味で合わないのか教えていただければ解決策をご提案できる可能性もございます。

    記事が参考になりましたら、シェアしていただけると嬉しいです!