鍵穴にクレ556を入れてはいけない|使った場合の対処法も記載
【目次】
皆さんは普段鍵のメンテナンスをしていますか?鍵を長く使っていると、鍵を挿しても鍵穴が回りづらくなる現象が起こります。こんな時にご自身で鍵のメンテナンスにチャレンジしてみる方もいると思います。鍵屋では、よくお客様から「鍵の動きが悪くなったのでクレ556を鍵穴に入れた」という内容をお聞きするのですが、実はクレ556を鍵穴に入れると、最初は動きが良くなるのですが、その後不具合が発生するようになります。今回の記事では、クレ556を入れるとどのような不具合が起きるのか、正しい鍵穴のメンテナンスはどうすれば良いのかについて解説していこうと思います。
※クレ556は色々な場面で役に立つ素晴らしい商品です。限られた場面で問題が発生することをお伝えする記事なので、予めご了承ください。
鍵穴の修理で、すぐに不具合を解決したい場合はカギ本舗にご相談ください。カギ本舗は日本全国で鍵の修理、交換、作成などの業務をしており、鍵のプロフェッショナルです。カギ本舗の鍵修理では鍵の不具合の根本原因を調査して、お客様にとって最も費用負担が少なく、同様の問題が起きないようなご提案をしております。
クレ556とは
クレ556とは呉工業株式会社が製造販売している浸透潤滑剤で、正式名称は「KURE5-56」といいます。DIYや工作などをする人達は馴染みがあると思いますが、潤滑剤やサビ落としのために使われることで有名な製品です。このクレ556は、機械の動きが悪くなったときや金属レールの動きが悪くなった時など、色々な場面で活躍する浸透潤滑剤です。
クレ556を鍵穴に入れるとどうなる?
結論から言うと、クレ556を鍵穴に入れると数週間後に鍵が回りづらくなる可能性が高くなります。クレ556を鍵穴に入れると潤滑剤の効果で最初は鍵穴の動きがよくなるのですが、クレ556に含まれる油分は粘度が高く、埃や汚れを吸収してしまい、時間の経過とともにヘドロのようになってしまいます。このヘドロが鍵の動きを阻害して、鍵穴が徐々に回らなくなっていくのです。上記の画像は実際にクレ556を入れてしまった鍵穴を修理した時の画像で、シリンダーを取り外しただけで黒い塊が大量に出てきました。
また、ヘドロで鍵の段差が正常に読めなくなるため、鍵穴内部で鍵の段差を読み取る金属がずれてしまい、他の金属と接触することで金属が摩耗して、最終的には修理も効かなくなってしまいます。修理が効かない場合は鍵交換をしないといけなくなり、費用が大きくなります。
鍵穴にクレ556を使ってはいけない事については、呉工業株式会社のホームページにも記載があります。ディスクシリンダーなどの単純な構造の鍵なら問題ないようですが、ディスクシリンダーは防犯性が低い鍵になるため、多くの製品が2000年前後から廃番となっています。
実際にカギ本舗であった事例
茨城県のとあるマンションで鍵が開かなくなったと連絡を受けて急行しました。症状を見てみると、鍵穴にクレ556を塗布したようなベトベトした油が付着していました。お客様はクレ556を塗布した記憶がないということでしたが、調べたところマンションの管理人が数日前にクレ556を塗布していたことが分かり、同日中に同じマンション内で3件鍵穴が回らなくなる事象が発生しました。解錠後に鍵のシリンダーを分解・洗浄して無事症状は収まりましたが、クレ556を鍵穴に使ってはいけないことを知っていれば発生しなかった問題でした。
クレ556を使って、家に入れなくなってしまった時の対処方法
もし誤ってクレ556を使ってしまい、鍵が回らなくなってしまったら、パーツクリーナーを鍵穴に噴射してみましょう。パーツクリーナーは油分や汚れなどを洗浄するのに役立つ製品で、ホームセンターなどでも購入できます。注意点として、鍵の回りを良くする成分も洗い流してしまうので、一時凌ぎとして考えてください。また、洗浄するといってもシリンダー内に汚れが残っていることが殆どなので、後日きちんと鍵業者を呼んでシリンダーを分解して洗浄することが重要です。パーツクリーナーを噴射したままにしておくと、扉の塗装などが剥げてしまう可能性があるので、噴射後はしっかりと布で拭き取りましょう。
正しい鍵のメンテナンス方法とは
鍵が回りづらくなる原因として、一番多い原因として埃や泥が鍵穴に入ってしまうことです。この場合、掃除機やパーツクリーナーなどで鍵穴の汚れを吸い出して、鍵穴にキースムーサーなどの鍵穴専用の潤滑剤を入れることで、鍵の動きがスムーズになります。キースムーサーなどの潤滑剤は、鍵穴に大量に入れるとクレ556を入れた時のようにヘドロになってしまうので、少量のみ使用しましょう。
また、キースムーサーの代わりに鉛筆の芯の粉(黒鉛)を鍵に塗布して、鍵穴に鍵を抜き差しすることで同じような効果を得ることができます。黒鉛には潤滑性が備わっているため、鍵を通して鍵穴内の金属に塗布することで、鍵の動きがよくなるのです。できるだけ黒鉛の含有量が多い、Bや2Bの鉛筆を使うと良いでしょう。
一点注意することとして、鉛筆の芯や、シャープペンシルの芯を鍵穴に直接入れるのはやめましょう。鍵穴に芯が詰まってしまい、鍵屋でなければ対処できない状態になったり、鍵が故障してしまう可能性があります。これでも鍵の動きが改善しない場合は、埃が中に残っているか、金属疲労で鍵の寿命が来ていることが考えられます。寿命が来ているのか確認するには鍵を分解して、中の金属の状態を確認するが必要あります。
しかし、鍵の構造に詳しくない人が分解をすると中のバネなどが飛び出してしまい、元に戻すのが難しくなる場合があります。取り返しのつかない事態を避けるために、分解作業をするのはできるだけ鍵業者に任せましょう。また、鍵業者でも、鍵の種類によっては分解すると壊れてしまう鍵があります。この場合は鍵屋から分解はできない旨が伝えられるので、鍵業者に交換料金の相談をしましょう。
もちろん交換をしないという選択肢もありますが、あまりお勧めできません。交換せずに状況が悪化した場合、タイミングが悪いと家から閉め出される可能性があります。家から閉め出されてから鍵を交換をしようとしても、鍵は扉が開く状態にならないと交換ができないので、交換費用に加えて鍵開けの費用がかかってしまい、余計な出費に繋がるからです。
鍵交換の検討ならカギ本舗にご相談ください
カギ本舗にお電話いただければ、経験豊富なオペレーターが鍵の修理や交換のご相談に乗ることができます。修理の場合の費用や、交換の場合の概算見積もりなどのご提示もできますので、ぜひご活用ください。
カギ本舗の鍵修理サービス
まとめ
クレ556を鍵穴に使った時にどうなるかまとめましたが、いかがだったでしょうか。本記事をまとめると、
- ・鍵穴にクレ556を使ってはいけない
- ・クレ556を誤って入れたら、パーツクリーナーで洗浄できる ※一時的な対処のため後日鍵屋へ相談が必要
- ・正しいメンテナンスでは埃を取った後に、専用の潤滑剤を塗布する
- ・改善しない場合は鍵交換を検討
という内容でした。もしここで書いたような事象でお困りでご自身でご解決できなければ、是非カギ本舗にご相談ください。
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